2008 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症モデルマウスにおける神経細胞死の調節機構の検討
Project/Area Number |
19390235
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
郭 伸 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 准教授 (40160981)
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Keywords | 脳神経疾患 / 筋萎縮性側索硬化症 / 運動ニューロン死 / AMPA受容体 / RNA編集 / GluR2 / ADAR2 / 動物モデル |
Research Abstract |
申請者らが開発した,Cre-loxP 系を用いた ADAR2 遺伝子のコンディショナルノックアウトマウス (ADAR2flox/flox/VAChT-Cre マウス) の解析から,ADAR2活性の消失が緩徐進行性の神経細胞死の原因となること,この分子異常は孤発性 ALS の病因と密接に関連することが明らかになった.ALSにみられる選択的神経細胞死のメカニズムは未解明である,本研究では,ニューロンのADAR2鉄損に対する脆弱性の違いを検討するために,tamoxifen誘導性にCre recmbinase を発現する Cre/Esr1マウス (Jackson lab 004453) と ADAR2 遺伝子の活性基をコードするエクソン部分を LoxP で挟んだ ADAR2flox/flox マウスを掛け合わせ, ADAR2flox/f1ox/Cre/Esr1 マウスを開発した.解析に要するCreを発現するための tamoxifen の至適用量を,行動変化に対するED50値から求め,行動,形態,生化学的変化の解析を行った.連日5日間の180mg/kg投与では,20%のマウスが投与1週以内に,5%のマウスが3週後に死亡したが,1ヵ月の観察期間中には痙攣の誘発はみられなかった.生存したマウスでは,持続的にロータロッドスコアが低下した.脳\脊髄組織における GluR2 Q/R 部位のRNA編集率は早期死亡例では低下していなかったが,3週間以上生存した個体では有意な低下がみられた.脊髄組織より脳組織での低下が顕著であった.ADAR2の免疫組織化学では,運動ニューロン以外でもADAR2の免疫化学的活性を消失したニューロンが増加していた.このことは,神経細胞種ごとに脆弱性を検討することにより, ALS における運動ニューロンの選択的脆弱性を生ずるメカニズムの解析に有用なツールであると考えられる。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Lymphomatoid Granulomatosis Involving Central Nervous System Successfully Treated with Rituximab Alone.2008
Author(s)
Ishiura H, Morikawa M, Hamada M, Watanabe T, Kako S, Chiba S, Motokura T,Hangaishi A, Shibahara J, Akahane M, Goto J, Kwak S, Kurokawa M. Tsuji S
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Journal Title
Arch Neurol 65
Pages: 662-665
Peer Reviewed
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