2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経筋接合分子欠損症および他の筋疾患におけるmRNA病態研究と治療法開発研究
Project/Area Number |
19390237
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 欽司 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80397455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 徹 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 准教授 (90402560)
増田 章男 名古屋大学, 大学院・医学系・研究科, 助教 (10343203)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 神経科学 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
先天性筋無力症候群において同定を行ったCHRNA1遺伝子のIVS3-8G>A遺伝子変異の病態解明を行った。IVS3-8G>Aは、機能を有さないアミノ酸をコードする75塩基からなるエクソンP3Aの上流に存在する遺伝子変異であり、IVS3-8G>AによりエクソンP3Aが常に認識をされ、機能を有さないアセチルコリン受容体αサブユニット(CHRNA1遺伝子産物)が作られる。IVS3-8Gには、スプライシング制御因子hnRNPHが結合することをaffinity purification後のWestern blottingにより同定をした。1VS3-8G>AはhnRNP Hの結合配列TGGGをTGGAに変異させている。IVS3-8GのhnRNP H結合配列を除去し、MS2配列を導入し、さらにMS2結合タンパク質とhnRNP Hのフュージョンたんぱく質を作ることにより、hnRNP HがIVS3-8近傍に結合することによりエクソンP3Aの認識を抑制させることを明らかにした。さらに、IVS3-8G>AはhnRNP Hの結合能を100倍減弱させることをsurface plasmon resonance法により決定した。960種類のFDA既に認可薬を用いたスクリーニングにて薬剤Xが濃度依存性にIVS3-8G>Aによる異常スプライシングを是正することを見出した。本研究の過程でIVS3-8G上流領域にスプライシング抑制因子polypyrimidine tract bindingprotein(PTBP1)が結合することを同定した。薬剤XはPTBP1プロモータを濃度依存性に活性化させていたが、hnRNP H発現量には効果がなかった。
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