2008 Fiscal Year Annual Research Report
家族性パーキンソン病の原因遺伝子産物の共通機構の解明と新規原因遺伝子の同定
Project/Area Number |
19390244
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
服部 信孝 Juntendo University, 医学部, 教授 (80218510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 紳一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20327795)
佐藤 栄人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00445537)
富山 弘幸 順天堂大学, 医学部, 助教 (20515069)
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Keywords | 劣性遺伝性パーキンソン病 / ミトコンドリア機能 / PINK1 / Parkin / 共通機構 / DJ-1 |
Research Abstract |
パーキンソン病は多様性の高い疾患と言える。患者の殆どは家族歴のない孤発型である。しかしながら、最近単一遺伝子異常に伴う遺伝性パーキンソン病の病態が孤発型パーキンソン病の病態に直接的にリンクすることが推定されている。我々の研究室には約1900例のDNA検体があり、新規遺伝子の単離を目指して解析している。常染色体劣性遺伝性パーキンソン病を示す4家系について連鎖解析を行い、遺伝子座を決定した。一方、既知の遺伝子については詳細な検討を進めており、parkinとPINK1が共通機構を形成している可能性を見出した。ParkinとPINK1はミトコンドリア外膜に局在し、ミトコンドリアの機能を保持している可能性が分かった。またparkinは、PINK1と結合することで安定性に寄与していること示した。正常型Parkinは正常型PINK1の安定性に関与するが、変異型に関しては安定性機構を示さなかった。Parkin, PINK1変異型を示す患者は臨床的にも類似性が高いことから、両遺伝子産物が共通機構を示すことは重要な所見と言える。また機能解析では頻度こそ低いがDJ-1の機能解析も行っている。DJ-1の正常局在は細胞膜に存在していることが分かった。特にトランスフェリンと共局在することを示した。更にその局在は変異型だと膜との結合が劣化することが分かった。そして特にDJ-1の多量体形成に必須なアミノ酸部位を別のアミノ酸に置換すると膜への結合が著しく低下した。DJ-1の正常機能発現のためには膜への局在が必要と考えられた。Parkin, PINK1, DJ-1ともに若年発症の劣性遺伝性パーキンソン病の変員遺伝子であり、遺伝子改変モデルはドパミンの遊離低下など共通機構を示している。おそらくDJ-1もparkin, PINK1と共に共通機構を示していると推定される。これら共通機構が明らかにされれば、新規治療戦略も現実味を帯びてくる。
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Research Products
(5 results)