2008 Fiscal Year Annual Research Report
Metastin/Kisspeptinの機能、特に生殖機能制御に関する研究
Project/Area Number |
19390252
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
井上 金治 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (50091963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 明人 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20351588)
冨田 幹夫 埼玉県立ボんセンター, 臨床腫瘍研究所, 主幹 (80142115)
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Keywords | Metastin / AVPV / 弓城核 / エストロゲン / GABA / 転移 / 末梢組織 / 脳内分布 |
Research Abstract |
メタスチンはGnRH神経に作用してその分泌を強く制御するが、メタスチン神経がGnRH神経に作用する部位に関しては明らかになっていなかった。このため、GnRHとメタスチン陽性細胞の詳細な免疫細胞科学を行った結果、正中隆起部位において両者がシナップス様結合をすることが明らかになった。このことをより明確にするためにメタスチン受容体(GPR54)の局在を明らかにすることを試みた。そしてこの受容体のタンパク質配列から、細胞外ドメイン部分の抗原候補を2箇所選び抗体を作成した。この抗体を使用した結果、正中隆起部を強く染色する抗体を得た。今後、この染色が真にメタスチン受容体を認識しているかを明らかにすることを予定している。一方、メタスチンによる癌細胞の運動能の阻害効果について、その作用機構を解析した。癌細胞に肝細胞増殖因子(HGF)を添加すると、細胞のAktとERK1/2が活性化され、運動能が促進された。この系にメタスチンを加えると、Akt活性と運動能が抑制された。ERK1/2など他のシグナル伝達分子の活性は阻害されなかった。したがって、メタスチンの作用は、PI3K/Aktシグナル経路の抑制効果によると推察された。
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