2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己抗体とOLIP置換型Ii鎖ライブラリーを利用した再生不良性貧血自己抗原の同定
Project/Area Number |
19390260
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中尾 眞二 Kanazawa University, 医学系研究科, 教授 (70217660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 昭良 金沢大学, 医学部附属病院, 准教授 (80324078)
近藤 恭夫 金沢大学, 医学部附属病院, 助教 (10322116)
千住 覚 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (50274709)
山崎 宏人 金沢大学, 医学部附属病院, 助教 (50361994)
高松 博幸 金沢大学, 医学部附属病院, 協力研究員 (70401932)
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Keywords | 再生不良性貧血 / 自己抗体 / hnRNPK / モエシン / 慢性関節リウマチ |
Research Abstract |
再生不良性貧血の引き金となる自己抗原を同定するため.巨核球性白血病細胞株∪T-7のライセートを二次元電気泳動で展開し、輸血歴のない発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)型血球陽性再不貧患者2例(両例ともシクロスポリン療法により、のちに寛解)と健常者の血清を用いてウェスタンブロッティングを行った。その結果再生不良性貧血患者血清によってのみ、65kDの特異的スポットが描出された。このスポットを切り出し、精製した蛋白を質量分析によって同定したところ、このスポットに相当する蛋白はheterogenous nuclear ribonucleoprotein (hnRNPK)であることが判明した。hnRNPK遺伝子のcDNAを用いてリコンビナント蛋白を作成し、この蛋白に対する患者血清中の特異的抗体の有無をELISA法により検討したところ、抗hnRNPK抗体は、PNH型血球陽性患者60例中18例(30%)、PNH型血球院生患者13例中3例(22%)に検出された。これまでにわれわれが同定した抗モエシン抗体、抗DRS-1抗体との関係をみたところ、何れの抗体価との間にも有意な相関が認められた。hnRNPK蛋白は、UT-7の外にK562、OUN-1などの骨髄性白血病細胞株が高発現していた。現在、骨髄CD34陽性細胞中のhnRNPK遺伝子発現レベルをreal time PCRを用いて検討中である。抗hnRNPK抗体は、以前に同定した抗モエシン抗体と同様に、慢性関節リウマチ患者血清中にも約30%の頻度で検出されることから、自己抗原に対する寛容の破綻という意味で、再生不良性貧血と慢性関節リウマチ患者の間には共通点があることが示唆された。また、hnRNPKとは別に、再生不良性貧血患者血清IgGによって強く認識される50kDa蛋白を新たに検出したため、現在質量分析を準備している。
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Research Products
(4 results)