2008 Fiscal Year Annual Research Report
生命維持機構としてのプロテインC凝固制御系の分子細胞学的研究
Project/Area Number |
19390262
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 宏治 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (70077808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 辰弥 三重県立看護大学, 看護学科, 教授 (00242959)
岡本 貴行 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30378286)
GABAZZA Esteban 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00293770)
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Keywords | 活性化プロテインC(APC) / プロテインS(PS) / C4b-binding protein β(C4BPβ) / EPCR / PAR-1 / Protein C inhibitor (PCI) / Connexin32(Cx32) / 抗炎症作用 |
Research Abstract |
【1】血中ProteinS(PS)の抗凝固作用発現機構の解析:血中PSの抗凝固作用は肝臓におけるPS及び補体系制御因子C4BPβの発現量に依存すると推定されるが詳細は不明であった。本研究では、その細胞機構を解明するため、エンドトキシン(LPS)感染ラットの肝臓におけるPSとC4BPβの発現動態を解析した。その結果、LPS処理ラットの肝臓類洞内皮細胞と肝実質細胞ではNFκB系を介してPSの発現量が低下した。一方、肝実質細胞ではSTAT系を介してC4BPβの産生量が増加し、また、LPS刺激により単球で産生されるIL-6が同様の機構によりC4BPβの産生量を増加させた。感染時にはこれらの機構により、血中PSの抗凝固作用が低下することが明らかになった。 【2】Protein C inhibitor (PCI)による臓器細胞の機能制御機構の解析:血漿SERPIN蛋白質の一つであるPCIは臓器毎に多様な機能を示す。今回、我々はヒトと同様の臓器でPCIを発現するヒトPCI遺伝子導入(hPCI-TG)マウスを用いて検討し、PCIが臓器固有のプロテアーゼやプロテオグリカンの活性を制御して、肝再生、血管透過性、抗腫瘍作用、血管新生などを制御調節することを明らかにした。 【3】炎症性内皮障害を制御する細胞間接着分子の同定: ファージディスプレイ法を用いて、炎症内皮細胞に発現する新しい蛋白質としてConnexin32(Cx32)を同定した。Cx32は細胞間相互作用に重要であり、Cx32の発現低下により細胞間相互作用が低下して炎症が亢進し、Cx32の発現増加により炎症を抑制される新しい細胞機能制御機構を明らかにした。
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Research Products
(24 results)