2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390264
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
織谷 健司 Osaka University, 医学系研究科, 講師 (70324762)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00294083)
横田 貴史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60403200)
|
Keywords | サイトカイン / インターフェロン / IFN-ζ / Limitin / アミノ酸置換 / 骨髄抑制 |
Research Abstract |
マウスIFN-αとIFN-ζ/Limitin間のアミノ酸配列の違いを基に両者の生理活性の違いに関わる責任アミノ酸の決定を行なった。受容体結合部位(ループABやヘリックスCおよびヘリックスD・E周辺)に対応するアミノ酸の中でIFN-αやIFN-βと一致しIFN-ζ/Limitinだけが異なるアミノ酸を選別し、該当するマウスIFN-α1アミノ酸をIFN-ζ/Limltinのものに置換したマウス変異IFN-α1を作製した。作製した7つのマウス変異IFN-α1のうちの1つ(m3-IFN-α1)は、変異を持たないIFN-α1と同等の抗ウイルス活性を示すものの骨髄抑制作用(コロニー形成抑制作用)が著明に減弱していた。また、このような作用特性を示すためには、m3-IFN-α1に含まれる3個のアミノ酸変異全てが必要であることも判明した。一方、ml-IFN-α1は、変異を持たないIFN-α1と比較してより強い抗ウイルス活性を示すとともに同等の骨髄抑制作用を示した。また、このような作用特性を示すためには、ml-IFN-α1に含まれる4個のアミノ酸変異のうち2アミノ酸置換が重要であることも判明した。m6-IFN-α1は、抗ウイルス活性と骨髄抑制作用ともにIFN-α1と比較して部分的に減弱していた。また、他の変異IFN-α1(m2-,m4-,m5-,m7-IFN-α1)は、全ての生理活性を消失していた。次に、我々は、マウス変異IFN-α1に関する知見を展開させ、マウスm3,ml変異に対応するアミノ酸置換をヒトIFN-α1で行った。結果、ヒトIFN-α1においても、m3変異部位が骨髄抑制作用減弱に、ml変異部位が抗ウイルス作用増強に関与することが判明した。本研究を通じ、副作用軽微な人工ヒトインターフェロン作製時におけるアミノ酸変異部位を決定することができた。
|