2008 Fiscal Year Annual Research Report
リウマチ膠原病のゲノム医療に向けての遺伝因子、環境因子、遺伝子環境相互作用の解析
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19390271
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
土屋 尚之 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60231437)
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Keywords | ヒトゲノム / 多型 / 全身性エリテマトーデス / 関節リウマチ / 全身性強皮症 / STAT4 / BLK / IRF5 |
Research Abstract |
1)前年度、カスタムアレイによる一次スクリーニングにおいて、もっとも顕著な関連が見出されたSTAT4遺伝子について、全身性エリテマトーデス(SLE)308例、健常対照群306例を用いた関連研究を施行し、互いに連鎖不平衡にあるイントロン内の3個所のSNPにおいて、有意な関連を検出した。この結果は、本研究進行中に欧米集団において報告された結果と同様であり、STAT4が集団を超えたSLE感受性遺伝子であることが示された。さらに、日本人集団においては感受性アリル頻度およびオッズ比が欧米集団よりも高いことから、SLE発症におけるSTAT4の寄与は、欧米集団におけるよりも日本人集団において高いことが示された。また、STAT4と関節リウマチ(RA)との関連も、日本人集団において再現された。 2)欧米集団におけるゲノムワイド関連研究によって見出された新規SLE感受性遺伝子領域であるC8orf13-BLK領域と日本人SLEとの関連を、SLE327例、健常対照群322例を用いて検討し、目本人集団においても本領域がSLEと関連することを確認した。STAT4同様、この領域についても、日本人集団における感受性アリル頻度とオッズ比が欧米集団におけるよりも高いことから、日本人SLEにおける寄与が大きいことが示された。 3)SLEをはじめとする各種リウマチ性疾患との関連が知られているIRF5について、全身性強皮症との関連を強皮症281例、健常対照群477例を用いて検討し、IRF5下流に位置し、刀四5遺伝子発現レベルの上昇と関連するSNPが強皮症と有意な関連を有することを見出した。
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