2009 Fiscal Year Annual Research Report
リウマチ膠原病のゲノム医療に向けての遺伝因子、環境因子、遺伝子環境相互作用の解析
Project/Area Number |
19390271
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
土屋 尚之 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60231437)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / 全身性強皮症 / 関節リウマチ / 疾患感受性遺伝子 / BLK / 遺伝子多型 / SNP |
Research Abstract |
1.日本人集団におけるリウマチ膠原病の疾患感受性遺伝子解析 前年度に日本人における全身性エリテマトーデス(SLE)との関連を報告したFAM167A-BLK領域SNPrs13277113のAアリルが、全身性強皮症(SSc)、関節リウマチ(RA)とも有意に関連することを見出し、本領域は、複数の自己免疫疾患に共通の感受性領域であることを明らかにした。SScとの関連は、diffuse type, limited typeいずれにおいても、また、抗核抗体のパターンにかかわらず認められた。また、SPI1遺伝子の3'非翻訳領域多型とSLEとの関連を新たに見出した。 2.遺伝子間相互作用、個体における発症リスク予測 これまでに研究代表者らが日本人SLEにおける関連を検出し、かつ、独立な確認が得られているSLE感受性遺伝子として、HLA-DRB1,IRF5,STAT4,BLK,FCGR2B,TNFAIP3,TNIP1の7遺伝子を選定し、これらの遺伝子に個人が保有するリスクアリルの総数とSLE発症との関連を検討し、健常対照群の中央値である6アリル保有者を標準とした場合、リスクアリルを9個保有しているとリスクが3.41倍、10個以上保有していると9.80倍上昇し、逆に4個の時は0.49倍、3個以下の場合は0.19倍に低下することを見出した。また、これらの遺伝子間に、明らかな遺伝子間相互作用は検出されなかった。 3.疾患関連多型の機能解析 実験的方法およびバイオインフォマティクスを用いたアリル特異的遺伝子発現レベルの検討により、BLK,TNFAIP3,SPI1のリスクアリルがそれぞれの遺伝子発現におよぼす影響を解析し、BLK,TNFAIP3では発現抑制、SPI1では発現増強に関連することを見出した。
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