2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390273
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中尾 篤人 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80317445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 然太朗 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
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Keywords | 牛乳 / TGF-beta / 炎症 |
Research Abstract |
我々は、生理活性タンパク質分子(サイトカイン)の1つ「トランスフォーミング増殖因子べータ(TGF-β)」を経口投与した際、腸管内でその活性は維持されかつ食物アレルギー反応が抗原特異的に抑制できることを見出した。この知見から、TGF-βを含有する既存の食品はアレルギー性疾患の予防効果を持つことが示唆された。 そこで本研究で我々は、TGF-βを多く含むとされる牛乳に着目しそのTGF-β活性をインビトロおよびインビボの実験系において解析した。特に今回は容易に入手可能な市販の牛乳を用いて検討した。市販の牛乳のいくつかはTGF-βを有意に含有しかつin vitroで十分な生物活性を持つことが明らかになった。さらにそれらTGF-βを含有する市販の牛乳をマウスに投与した際、腸管内でTGF-βシグナルが活性化すること、血清中TGF-β濃度が上昇すること、TGF-βが抑制的に作用することが知られているDextran sodium sulfate(DSS)による腸炎やLPSによるエンドトキシンショックを予防できることを見出した。これらの作用は、TGF-βシグナル阻害剤を牛乳と同時投与することによって抑制され、かつTGF-βを含有しない市販の牛乳では見られなかった。 以上の結果から、市販の牛乳中に含まれるTGF-βはその経口投与後も十分な活性を保っていることが証明された。現在、花粉症モデルに対する効果について検討中である。
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Research Products
(2 results)