2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390274
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 満 The University of Tokushima, 疾患酵素学研究センター, 教授 (60221595)
|
Keywords | 自己寛容 / 胸腺 / AIRE / MHC / ノックインマウス |
Research Abstract |
AIRE遺伝子の発現制御下に蛍光分子マーカーGFPを発現するAIRE/GFPノックインマウス(AIRE/GFP-KI)を作製した。その結果予測通り、AIRE/GFP-KI胸腺の組織切片を抗GFP抗体と抗AIRE抗体によって二重染色したところ、ほとんど全てのGFP陽性細胞はAIRE陽性であった。興味深いことに、AIRE遺伝子をホモで欠損する個体(gfp/gfp)の胸腺でもGFP陽性細胞が同程度に認められ、このことからAIRE自体はAIREを発現する胸腺髄質上皮細胞(mTEC)の系列決定に関与しないことが明らかになった。次いで、AIRE/GFP-KI(+/gfp)およびAIRE/GFP-KI(gfp/gfp)のAIRE発現細胞およびAIRE非発現細胞の各分画をソーティングし、insulinf2およびCRPの発現をreal-time PCRを用いて解析した。その結果、AIER依存性組織特異抗原遺伝子であるinsulin2の発現はもっぱらAIRE発現細胞から正常AIRE蛋白質の存在に依存して認められるのに対し、AIRE非依存性組織特異抗原遺伝子であるCRPの発現はAIRE発現細胞とAIRE非発現細胞の両方から、正常AIRE蛋白質の有無に関わらず検出された。AIREは終末分化段階にあるmTECで発現しているという最近の報告とも併せ、mTECにおけるTSA発現機構として、teminal differentiation modelを支持する結果であった。他方、免疫組織染色からはAIRE/GFP-KI(gfp/gfp)のAIRE発現細胞は形態変化と分布異常を認めたことから、AIREがmTECの分化やその細胞構築化に対しても重要なはたらきを持つことが明らかになった。
|
Research Products
(4 results)