2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を基盤とした次世代アレルギー治療法の開発
Project/Area Number |
19390278
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久保 允人 The Institute of Physical and Chemical Research, シグナル・ネットワーク研究チーム, チームリーダー (40277281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉利 真由美 独立行政法人理化学研究所, アレルギー体質関連遺伝子研究チーム, チームリーダー (00217184)
井上 博雅 九州大学, 大学病院, 講師 (30264039)
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Keywords | IL-4 / Th1 / Th2 / 転写制御 / I型アレルギー反応 / 転写制御 / エンハンサー / サイレンサー |
Research Abstract |
我々はIL-4遺伝子内でTh2分化に伴いクロマチンレベルで構造変化が見られる領域を指標として、転写制御領域を欠失させた遺伝子改変マウスを作製した。これまでの我々が構築したGFPレポータートランスジェニックを用いた研究過程から、本研究では2つの哺乳類間でよく保存されている領域、IL-4遺伝子3'下流に位置するDNasaI高感受性領域-4(HS-4)とConserved Non-cording Sequence(CNS-2)に着目した。CNS-2エンハンサーは、Notchシグナルを介して、メモリー型CD4T細胞やNKT細胞等のユニークなT細胞サブセットにおける抗原初期刺激におけるTh2サイトカインの産生を制御する領域である。CNS-2を欠失したマウスでは、アラムをアジュバンドとして使った免疫原に対する反応においてIgEの産生が全く起こらなかった。しかしながら、IL-4の存在下では、CNS-2を欠失したT細胞でも正常にTh2細胞へと分化できる。この事から、Notchシグナルの標的配列を欠くこのマウスでは、抗原初期刺激におけるIL-4の供給が絶たれるため、I型アレルギー反応を起こせなくなってしまっている。 一方、HS-4領域は転写因子Runxに対する認識配列を保有し、Runx3を介してTh1特異的に働くサイレンサーとして働くと考えられている。我々が今回構築したHS-4を欠失したマウスの解析から、抗原初期刺激におけるIL-4産生に限局的に働くサイレンサーであり、Th1分化の際に働くサイレンサー領域は別に存在することが明らかにされた。
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Research Products
(14 results)