2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析によるネフローゼ症候群の病因、病態の解析
Project/Area Number |
19390281
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 隆 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (70151256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 孝司 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50255402)
張田 豊 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 特任助教 (10451866)
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Keywords | 腎臓 / 蛋白尿 / 糸球体上皮細胞 / Nephrin / TRPC6 / MYN9 / Epstein-Fechtner症候群 |
Research Abstract |
腎糸球体の上皮細胞接着装置であるスリット膜は現在尿を産生する際の濾過バリアーとして働いていることが知られている。そのスリット膜構成成分であるNephrinやNeph1が糸球体上皮細胞の傷害時にチロシンリン酸化の修飾を受け、細胞内に様々なシグナルを伝達していることが明らかになってきた。一方、TRPC6というカルシウムチャネル(CaC)の活性型変異により遺伝性ネフローゼ症候群が引き起こされることから、糸球体上皮細胞のカルシウム代謝に注目が集まっている。これまでCaCの障害による本症の発症機序は不明であった。今回、私共は質量分析器を用いて網羅的な結合蛋白質を解析し、TRPC6のリン酸化に伴い、TRPC6にNephrinおよびPLCγ1が結合し、PLCはTRPC6の細胞膜への移行およびチャネル活性に対して促進的に、Nephrinは抑制的に働くことを明らかにした(投稿準備中)。これらの成果は蛋白尿発症機序において最も重要性が高いとされている上皮細胞の傷害における細胞内カルシウム濃度の上昇機序を説明するものであり、その修飾による治療応用の可能性が示唆される。一方、MYH9の変異によるEpstein-Fechtner症候群の腎病変を解析し、糸球体上皮細胞の形態変化が著しいことを見いだした。これは糸球体上皮細胞におけるMYH9がその特異な細胞形態の形成・維持に重要な役割を果たす可能性を示唆する。さらに、蛋白尿の発症機序および糸球体硬化症発症の原因としてMYH9の役割を示しており、極めて重要な発見である。
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Research Products
(10 results)