2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫の新規ディペンデンス受容体の同定および機能解析と治療法開発への応用
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19390289
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
中川原 章 Chiba Cancer Center (Research Institute), 研究局, 研究局長 (50117181)
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Keywords | 依存性受容体 / Unc5H / 細胞死 / 自然退縮 / 神経芽腫 |
Research Abstract |
我々が作製した神経芽腫cDNAライブラリーから同定した新規ヒト依存性受容体であるNLRRファミリーとUNC5D(UNC5H4)について、解析を進めた。本年度の研究成果は以下のとおりである。(1)NLRR1によるEGFやIGFシグナルの増強効果による細胞増殖の促進には、細胞膜のリピッドラフトの機能が関わっていることが示唆された。また、EGFやIGFシグナルの増強によりMYCNの発現が転写レベルで誘導された。したがって、、MYCNがNLRR1を正に誘導することを考慮すると、MYCN-NLRR1-EGFR/IGFR-MYCNという細胞増殖を促進するポジティブフィードバック系が存在することが明らかになってきた。(2)UNC5Dの機能解析が進み、リガンドのNetrin-1が相対的に欠乏する状況においては、UNC5Dの細胞内ドメインが活性化されたcaspases 2,3,7によって切断され、遊離されたdeath domainを含む細胞内フラグメントが核に移行することが明らかになった。また、そのフラグメントは核内において転写を誘導し、複合体を形成する転写因子のひとつとしてE2F1が存在することを明らかにした。さらに興味深いことは、E2F1の転写ターゲット遺伝子のうち、pro-apoptotic genesのみが選択的に誘導されており、この転写複合体は何らかの機構で標的遺伝子の選択を行っていることが示唆された。一方、Unc5H4のノックアウトマウスを作製した。見かけ上は正常に見えたが、後根神経節細胞のストレスに体する反応性は高まっており、NGF欠乏によるアポトーシス誘導時には細胞が死にやすくなっていた。
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