2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳微細環境分子を用いたオリゴデンドロサイトの機能制御と未熟児脳障害治療法の開発
Project/Area Number |
19390292
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
大平 敦彦 Aichi Medical University, 客員教授 (20101074)
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Keywords | オリゴデンドロサイト / 脳室周囲白質損傷 / 子宮内胎児発育遅延 / 学習障害 / 神経幹細胞 / コンドロイチン硫酸 / ニューロカン / 低酸素 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、オリゴデンドロサイト前駆細胞の変性が原因とされる脳室周囲白質損傷の新たな治療法を開発することである。本年度は以下の成果をあげた。 1.未熟児脳障害モデルとしての子宮内胎児発育遅延ラットの病態解析 母獣に血管収縮剤トロンボキサンA_2を投与して作製した子宮内胎児発育遅延(FGR)モデルラットの新生仔について、行動学的観察から、ヒトFGR児の特徴である新生児期の反射の発達遅延や若齢期の学習障害が認められた。また、出生直後の大脳皮質灰白質において、全細胞数の減少とTUNEL陽性細胞の増加が認められた。 2.神経幹細胞からオリゴデンドロサイト(ODC)前駆細胞の分化誘導 i)誘導ODC前駆細胞の表面に存在するコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)増殖因子EGF/FGF-2存在下、あるいはPDGF/FGF-2存在下で、ニューロスフェア培養したラット胎仔由来神経幹細胞を、接着性分化誘導培養に移すと、前者の培養条件下では神経細胞が、後者ではODC前駆細胞が多く出現した。免疫細胞化学により、ODC前駆細胞の表面(周囲)には、少なくともニューロカンを含むCSPGsが存在することがわかった。 ii)各種神経系細胞の低酸素無グルコース感受性 上記の接着性分化誘導培養によって調製した細胞を、1%O_2/5%CO_2/無グルコースで2〜6時間培養した後、通常の培養条件に戻したところ、神経細胞はODC前駆細胞に比べて、低酸素無グルコース処理に感受性が高いことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)