2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390296
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
錦織 千佳子 Kobe University, 医学研究科, 教授 (50198454)
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Keywords | 皮膚癌 / 長波長紫外線 / ピリミジンダイマー / 8ヒドロキシグアニン |
Research Abstract |
医学分野でも公汎な波長域のレーザー光、LEDの利用、光線力学療法など、エネルギーの高い光の高線量を治療に用いる機会が増え、その有用性の検証が進んでいるが、risk-benefitのバランスは未だ十分に解析されているとは言い難い。光線の利用にあたってその人体への影響、特に光発癌の機構を明確にする事は重要である。今年度はまず、皮膚科領域で頻用されつつある治療用紫外線照射ナローバンドUVBにおいてこれまで使用されてきたブロードバンドUVB装置と比較して長期使用においての皮膚発癌発生についての違いをマウスを用いて検討を行った。その結果、ナローバンドUVB長期照射群のマウスにおいて有意にブロードバンドのそれと比較して発生した皮膚腫瘍の悪性化率の上昇を認めた。またナローバンド照射したマウス皮膚においてブロードバンド照射よりも有意に紫外線照射によるDNA障害であるCyclobutaine pirimidine dimersの除去の遅れが認められ、Cyclobutaine pirimidine dimersがナローバンドUVBによる皮膚腫瘍の悪性化に大きく関与していることが示唆された。また、長波長紫外線としてUVA領域の364nmレーザーを用いて、抗菌剤としても用いられる光増感剤ロメフロキサシン投与下でUVA照射を行うと酸化型DNA損傷のみでなく、ピリミジンダイマーも生じることが明らかになった。光贈感剤は内因性、外因性ともに多くヒトの体内に存在していることから、この事実はヒトにおける皮膚癌発症を考える上で重要である。
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Research Products
(5 results)