2008 Fiscal Year Annual Research Report
フコース転移酵素によるregulatoryT細胞の皮膚特異的遊走能の制御
Project/Area Number |
19390298
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
塩原 哲夫 Kyorin University, 医学部, 教授 (10118953)
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Keywords | regulatory T細胞 / 糖転移酵素 / 皮膚ホーミング |
Research Abstract |
本年度の研究では前年度に引き続き、薬剤性過敏症症候群(DIHS)患者の急性期に増加しているskin-homing phenotypeを有するregulatoryT細胞(Treg)について解析を行うとともに、薬疹を引き起こしやすい基盤にある他の感染症、とくにヘルペス感染症におけるTregについて検討を行った。 1.DIHSの急性期に増加しているTregは、フコース転移酵素(Fuc-TIV, Fuc-TVII)を強く発現しており、これは他の薬疹や感染症ではみられない特徴であった。このような高い皮膚へのホーミング能を有するTregの皮膚への遊走は、皮膚に潜伏しているヘルペスウイルスの再活性化をもたらした。 2.DIHSの急性期に増加しているTregは、effectorT細胞(Teff)の増殖やサイトカイン産生を強力に抑制したが、他の重症薬疹の際のTregはこの機能が著明に低下していた。さらにFuc-TIV, Fuc-TVIIの発現も著明に低下していた。 3.DIHSの臨床症状が軽快するにつれTregのFuc-TIV, Fuc-TVII発現は低下し、それとともにTeffに対する増殖抑制やサイトカイン産生の抑制も次第に低下した。 4.ステロイドやIVIGなどの治療は、Tregの機能ばかりでなく、Fuc-TIV, Fuc-TVII発現も増加させた。 5.遺伝子改変マウスを用いた様々な皮膚の炎症モデルにより、Tregの機能と皮膚の炎症の程度の相関を検討した。TLR2を欠損させたマウス(TLR2^<-/->)ではTreg機能が低下していたが必ずしも通常の炎症モデルでのTeff, Tregの遊走に関しては異常は認められなかった。
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Research Products
(5 results)