2007 Fiscal Year Annual Research Report
グルタミン酸伝達調節による難治性統合失調症状の新規治療法開発に関する研究
Project/Area Number |
19390302
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西川 徹 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00198441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車地 暁生 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00251504)
山本 直樹 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (70312296)
大島 一成 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60345288)
正木 秀和 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (90401330)
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Keywords | 統合失調症 / グルタミン酸伝達機構 / D-セリン / NMDA受容体 / 抗精神病薬抵抗生症状 / D-サイクロセリン / グリア / ニューロン |
Research Abstract |
本研究では、フェンサイクリジンなどのNMDA型グルタミン酸受容体遮断薬が惹起する統合失調症様状態において、抗精神病薬反応性の陽性症状とともに難治性の陰性症状や認知障害と酷似した異常が見られる現象にもとづき、NMDA受容体機能を促進することにより双方の症状を改善する次世代の治療法開発をめざす。このため、グリシン調節部位の刺激を介して本受容体の機能を増強する既存薬物である、D-サイクロセリン(DCS)の臨床応用の改良と、新規薬物開発のための標的分子を見出すことを目的としている。そこで、脳の内在性D-セリンが、NMDA受容体のコアゴニストとして重要な役割を果たしていることから、その代謝・機能の分子機構を明らかにし、NMDA受容体機能促進薬の標的としての意義やD-サイクロセリンとの相互作用を検討する。抗精神病薬を服用中の統合失調症患者にDCSを二重盲検法で投与する臨床試験も行う。 In vivoダイアリシスを用いた動物実験において、DCSは用量依存的に内側前頭葉皮質の細胞外液中D-セリン濃度を上昇させ、L-セリン、グリシンおよびその他の内在性アミノ酸には有意な影響を与えないことがわかった。こめ効果は、DCSがD-セリンの取り込み、分解などを示す分子を阻害する作用と関係する可能性がある。また、ラットの胎児または新生仔の大脳新皮質から調整した、初代培養アストロサイトおよびニューロンにおいて同程度の濃度のD-セリンが検出された。これらの実験系は、D-セリンの細胞外シグナル調節の機序や作用薬を調べるツールとして役立つと考えられる。一方、細胞内外のD-セリン濃度を変化させるD-serine modulator-1の遺伝子改変マウスの作出を行った。臨床試験では、主に外来の統合失調症患者を対象として協力をもとめた。
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Research Products
(41 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
Nishikawa T., et al
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Journal Title
A systematic approach to the brain d-serine system. Fujii N, Homma H, Bruecker H, Fisher GH, Konno R (eds.) A New Frontier in Amino Acid and Protein Research(Nova Science Publishers)
Pages: 151-167
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[Journal Article]2008
Author(s)
西川徹
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Journal Title
2ストレスに対する生体の応答, 2. 7発達, ストレスの科学と健康(共立出版株式会社)
Pages: 88-93
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[Journal Article]2007
Author(s)
貫名信行, 他
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Journal Title
脳神経疾病研究の成果と課題. 実験医学増刊『脳神経疾患の分子病態と治療への展開』(羊土社)
Pages: 25:1914-1922
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[Journal Article]2007
Author(s)
山本直樹, 他
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Journal Title
ドーパミン・興奮性アミノ酸仮説-3. 原因と病態モデル-. 統合失調症の概念-統合失調症の治療-臨床と基礎-(朝倉書店)
Pages: 38-54
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