Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 賢治 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (20362189)
杉原 玄一 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (70402261)
中村 和彦 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80263911)
宮地 泰士 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (60444345)
岩田 泰秀 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10285025)
|
Research Abstract |
地域社会に生活する児童、生徒のメンタルヘルスの調査の一貫として,東海地域(浜松市)の小学校,中学校,高校に在籍する,小学5年から高校3年生(n=1,412)を対象に,社会生活を送る上で重要な共感性と感情の安定性の評価を実施した。社会性、情動性の評価には,ロンドン精神医学研究所のMorris教授らが作成したSocial and Emotional Questionnaire(SEQ)(24項目,2005)を用いた。経年的発達の軌跡を調べた。SEQスコアーと学年(年齢)との間には正の相関(r=0,183P<:001)が認められた。また,性別にSEQスコアーの経年的変化をみると,男性の方が低く推移し,男子生徒の方が共感性、社会性の発達の遅れが見られた。また,SEQスコアーは,攻撃性スコアー(Aggression Questiolmair)と負の相関関係(r=-0.115 P<.001)が認められた。つまり,共感性や社会性が低いほど,攻撃性が高いことが示された。さらに,共感性や社会性が低いほど,抑うつ傾向が高いことも分かった。 一方,共感性や社会性に障害を呈する広汎性発達障害(自閉症)者に対する脳画像研究(PET画像)から,自閉症者に,情動機能にかかわるセロトニン神経系の異常を示す所見が得られた。脳全域にわたる領域で,セロトニン,トランスポーターの濃度の低下が確認された。さらに,この低下は,強迫的傾向や攻撃性と関連していた。
|