2008 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能と神経画像を中間表現型とする統合失調症の分子病態解明
Project/Area Number |
19390304
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 紀夫 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40281480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯高 哲也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70324366)
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Keywords | 統合失調症 / ゲノム / 認知機能 / 神経画像 / 中間表現型 |
Research Abstract |
統合失調症は多因子疾患のなかでも遺伝因子の関与が比較的強いと考えられ、これまでの研究から複数の発症脆弱遺伝子の候補が提唱されているものの、その分子病態や診断、治療効果判定の客観的指標の開発は不十分である。そこで、神経生物学的で連続的な指標を中間表現型として選択して発症脆弱性遺伝子との関連を調べるために、認知機能検査(WCST: Wisconsin Card Sorting Test、CPT: Continuous Performance Test)、MRI構造画像を収集した。さらに、BDNF (rs6265)、COMT (rs4680)、YWHAE (rs28365859)、RGS4 (rs951436)、DISC1 (rs821616)、NRG1 (rs6994992)の6SNPsの遺伝子型を同定し、認知機能あるいはMRI構造画像との関連を検討した。 WCSTにおける達成カテゴリー数、保続性の誤りならびにCPTにおけるd'は統合失調症と健常者間では有意な差がみられた。認知機能検査および遺伝子型との関連について解析したところ、有意な関係はみられなかった。 MRI構造画像において、統合失調症で健常者よりも体積が有意に減少していた領域は、前頭葉、側頭葉、海馬、島、基底核などに分布していた。これらの領域と遺伝子型との関係を検討したところ、右海馬および島のGM体積とCOMT(rs4680)のリスクアレル数に有意(p<0.05)な相関が見られた。
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