2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知機能と神経画像を中間表現型とする統合失調症の分子病態解明
Project/Area Number |
19390304
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾崎 紀夫 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40281480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯高 哲也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70324366)
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Keywords | 統合失調症 / ゲノム / 認知機能 / 神経画像 / 中間表現型 |
Research Abstract |
1.研究目的 ・MRIで評価した中枢神経系構造に与えるNRG1(rs6994992)、BDNF(rs6265)、DISC1(rs821616)、COMT(rs4680)、RGS4(rs951436)、YWHAE(rs28365859)遺伝子多型の影響を検討した。 2.研究方法 ・健常者40名と統合失調症40名を対象として、MRIを撮像してvoxel-based-morphometry法(VBM法)により灰白質の体積を検討した。また、対象から得たゲノムを用いて上述した各遺伝子型を決定し、遺伝子型が各領域の体積に与える影響を検討した。統計処理では年齢、性別、全脳体積の補正をした上で、2群のGM体積を比較した。患者群において健常群よりも有意に体積の減少している領域のGM体積値を従属変数とし、各遺伝子のリスクアレル数を独立変数とした重回帰分析を行った。 3.研究結果及び考察 統合失調症群では前頭葉、視床、島、扁桃体などを中心とした広範な領域において、健常群よりもGM体積が有意に減少していた(p=0.001 uncorrected)。中でも外側前頭前野、内側前頭前野、島、視床のGM体積の差は、多重比較補正後も有意であった。これらの4領域および両側扁桃体のGM体積と遺伝子多型を用いた重回帰分析では、BDNF、COMT、YWHAE、NRG1において有意な結果が得られた。BDNFは海馬や扁桃体において分泌され、NRGも神経発達に関与しているとされている。これら遺伝子のリスクアレルとGM体積に関係があったことは、統合失調症の神経発達障害仮説を指示する結果と考えられる。COMTが扁桃体と、YWHAEが島のGM体積とそれぞれ正の相関があったが、これらの関係については今後検討することが必要である。
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