2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性認知症関連蛋白群とユビチキンシステムの関与による神経変性メカニズム
Project/Area Number |
19390305
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武田 雅俊 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294068)
工藤 喬 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10273632)
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
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Keywords | 前頭側頭型認知症 / 神経変性 / タウ蛋白 / ユビキチン / プロテオソーム / 蛋白分解 |
Research Abstract |
前頭側頭型認知症(Frontotemporal dementia: FTD))は認知症の中で頻度も少なくないことが判明し、その対応への重要性は増大している。FTDでは1998年に17番染色体に関連するもの(FTDP-17)はタウ遺伝子変異によって発症していることが判明してから、神経変性性認知症疾患の原因としてタウ蛋白の重要性があらためて位置づけられた。一般に神経細胞内異常蓄積蛋白はユビキチン化産物であることから、ユビキチン化された基質が適切に処理されないことがこれらの疾患における神経変性のメカニズムであると推定される。そこで、まずタウ蛋白の分解機構にユビキチンシステムがどのように関与しているかに関して検討をおこなった。神経系細胞SH-SY5Yを培養し、プロテオソーム、カテプシン、カルパイン、ピューロマイシン感受性ペプチダーゼのそれぞれに対する阻害剤を培地に添加したところ、プロテオソーム阻害剤を添加しても分子量の増大したユビキチン化タウの増加は確認できず、またユビキチン化修飾を受けないタウ蛋白量も有意な増加が認められなかった。そこで、パルスチェイス法によってタウ蛋白の分解過程の検討をおこなったところ、阻害剤の中でタウ蛋白の分解遅延を呈したのはピューロマイシンのみであった。さらに、FTDP-17にて報告されたV337MとR406W変異タウに関しても検討をおこない、変異タウにおいては分解の遅延が認められた。変異タウの分解遅延に関しても検討をおこない、ピューロマイシン感受性ペプチダーゼと強制発現タウはどちらも細胞質内に局在すること、変異タウ蛋白はリン酸化が充進していることを見いだした。これより、変異タウの分解遅延はリン酸化亢進にともなうプロテアーゼ抵抗性によることが示唆された。
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Research Products
(18 results)