2009 Fiscal Year Annual Research Report
双極性障害における脳内報酬回路の機能障害の解明:基礎的および臨床的研究の統合
Project/Area Number |
19390306
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神庭 重信 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 教授 (50195187)
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Keywords | 双極性障害 / 扁桃体 / 分界条床核 / ミクログリア / サイトカイン / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
C57BL/6J系統のマウスの場合、FST(単回、6分間)を行って120分後にパラフォルムアルデヒドにて灌流固定を行い、クライオスタットで標本を作製し、免疫組織化学にてc-Fosの分布を検討した。その結果、前頭前皮質内側部(辺縁前皮質・辺縁下皮質)、外側中隔核(特に尾側腹側部)、扁桃体基底外側核(吻側内側部)、内嗅領皮質、腹側海馬台、海馬(アンモン角・歯状回)、視床室傍核、視索前域外側核、視床下部前核、視床下部後核、水道周囲灰白質(中間部の腹外側部および背内側部)といった領域に、c-Fosの発現が見られた。 同様の手法にて、TSTが賦活する経路についても検討した。標準的な6分間の試験では十分なc-Fosの発現が見られなかったため、12分間で行ったところ、一定の部位に発現が見られた。c-Fosが発現したのは、扁桃体基底内側核、内嗅領皮質、腹側海馬台、視索前域内側核、視床下部後核、水道周囲灰白質(腹外側部)といった部位であった。 我々は抗うつ薬の活性化ミクログリアに対する影響をin vitroで検索した。その結果、いくつかの抗うつ薬は活性化ミクログリア由来のNOや炎症性サイトカインの産生を抑制することが判った。抗精神病薬は難治性のうつ病に抗うつ薬と併用されることがしばしばある。我々の研究から、いくつかの抗精神病薬も活性化ミクログリア由来のNOや炎症性サイトカインの産生を抑制することが判った。更に、これら抗うつ薬及び抗精神病薬の活性化ミクログリアに対する作用が、モノアミントランスポーターやドーパミンレセプターに対する作用とは独立している可能性も示唆された。
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Research Products
(12 results)