Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井垣 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90361344)
木村 公則 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70397339)
倉知 慎 東京大学, 医学部, 助教 (00396722)
上羽 悟史 東京大学, 医学部, 助教 (00447385)
白石 憲史郎 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40447404)
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Research Abstract |
γδT細胞は,γδT細胞受容体やNKG2D受容体を介してストレスを受けた細胞や腫瘍細胞を認識することが分子レベルで明らかになったこと,(2)骨粗籟症や高Ca血症治療薬であるアミノビスホスホネートとIL-2を用いてγδT細胞を培養増殖させることが可能になったこと,(3)アミノビスボスホネートにより増殖したγδT細胞が抗腫瘍活性を持っこと,などから,がんに対する免疫細胞治療への応用が期待されている。東京大学医学部付属病院22世紀医療センター免疫細胞治療学講座において,治療抵抗性の固形癌患者で,放射線治療の適応となる骨転移症例に対して放射線治療と活性化自己γδT細胞治療の併用治療の臨床研究を実施した。東京大学医学部倫理委員会の承認を得た後UMIN-CTRに登録を行ない,γδT細胞を用いた免疫細胞治療の臨床試験を実施した。放射線療法は3Gy/回,全10回。被験者から成分採血により単核球を採取し,ゾメタを用いてγδT細胞を増殖,活性化させ,1投与あたり1×109細胞(目標値)を静脈内投与(点滴注射)し(全8回)治療効果を検討する。1例の乳癌の骨転移,1例の前立腺癌の骨転移症例の4例に対して,末梢血の単核球を採取した後,アミノビスボスホネートとIL-2を用いてγδT細胞を培養し,免疫細胞治療に用いた。1例の乳癌患者の治療経過は良好で,腫瘍マーカーの低下を認めた。強い患者の希望と倫理委員会の承認を得て,経過良好な症例に関しては,2クール目の追加治療を実施した。再発,化学療法に抵抗性の患者に対する治療でありながら,重篤な有害事象を認めず,比較的低侵襲で治療効果が確認された。1例の肺癌患者は,治療開始後胸骨転移の疼痛が増悪したため,新しく保険適応になった分子標的薬の投与を試みるために治療を中止した。前立腺がん患者は現在治療継続中である。
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