2007 Fiscal Year Annual Research Report
中性子捕獲ガン治療(BNCT)用複合加速構造IH単空洞線形加速器の研究
Project/Area Number |
19390315
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
服部 俊幸 Tokyo Institute of Technology, 原子炉工学研究所, 教授 (50134648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林崎 規託 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (50334537)
川崎 克則 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (50376943)
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Keywords | BNCT / 中性子捕獲ガン治療 / 複合構造単空洞加速器 / 陽子線形加速器 / 3次元電の磁場シミュレーション |
Research Abstract |
本年度は,中性子捕獲ガン治療(BNCT)用の複合加速構造IH単空洞の設計製作と,陽子イオン源の開発を中心に研究を進めた。まず最初に,複合加速構造IH単空洞を用いたBNCT用中性子照射システムの全体設計をおこない,本研究では発生中性子の収率やエネルギースペクトルを考慮して,7Li(p,n)7Be反応によるコンパクトな装置を目指すことにした。この反応では,中性子の減速利用(陽子エネルギー2.5MeV)と直接利用(陽子エネルギー1.91MeV)が可能であるが,取り扱いの容易さや安定性なども考慮し,加速エネルギーは2.5MeV,ビーム電流量は連続運転(CW運転)で20mAを目標とした。複合加速構造IH単空洞では,ひとつの加速空洞のなかに高周波四重極(RFQ)電極とドリフトチューブ(DT)電極が配置されるため,構造が非常に複雑であることから,3次元電磁場シミュレーションプログラムによって詳細な高周波特性解析をおこなった。また,ビームを安定に加速するためのビーム軌道計算については,RFQ構造部は既存のPARMTEQプログラムを用いて,DT構造部は輸送行列法を用いた軌道計算プログラムを開発して,ビーム軌道計算を実施した。そして各々のパラメータはコールドモデル測定結果とあわせて,高周波特性シミュレーションにフィードバックし,より詳細に加速空洞の形状最適化をおこなった。加速空洞の機械的構造については,これまでに研究代表者らが開発してきたRFQ型およびDT型のIH加速空洞を参考に,製作やメインテナンスの容易なメインフレーム構造を採用し,加工精度に配慮しながら製作をおこなった。イオン源の開発はルーマニアのサピエンタ大学とペトロマイオ大学と共同で実施し,サピエンタ大学の国際物理研究施設において国際共同研究を展開した。これらの研究成果は,The 9th European Conference on Accelerators in Applied Research and Technologyなどの国際会議や日本原子力学会などにおいて報告した。
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