2008 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経内分泌腫瘍に対する血管新生阻害下内用療法 : 基礎研究から臨床応用へ
Project/Area Number |
19390317
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
絹谷 清剛 Kanazawa University, 医学系, 教授 (20281024)
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Keywords | 悪性神経内分泌腫瘍 / アイソトープ / 内照射療法 / I131-MIBG / 骨髄線量 / フュージョン画像 / 線量計算 |
Research Abstract |
1. ^<131>I-MIBG内照射療法の成否は、十分な病巣集積を得ることができるか否かに左右される。したがって、個々の症例における腫瘍線量計算が可能であれば、治療効果判定・推定に重要な情報となる。そのためには、シンチグラムで見られる異常集積部位の正確な部位同定と啓示的な集積量推移の情報と、X線CTなどの形態画像によるMIBG異常集積病巣のサイズ評価を精度良く行うことが必要である。そこで、シンチグラム断層撮影SPECT情報と、X線CT情報の融合像での病巣評価を行い、高精度でこれが可能であることを確認した。これにより、SPECT/CT複合機のない状況でも、線量計算が精度良く行うことが可能であることが示された。 2. ^<131>I-MIBG内照射療法で腫瘍線量改善を狙った方向としては、腫瘍径が限定された状況で治療を行うこと以外に、投与量を増大させることが考えられる。国内でのMIBG内照射療法の標準投与量は100-200mCiである。この治療の副作用面での決定臓器は骨髄であり、200cGyが耐用線量と考えられている。そこで、この値を用い最大耐用投与量決定を試みた。一般にβ線核種の内照射療法における骨髄線量は全身線量に等価と考えられるため、標準投与量での全身クリアランスカーブを複数の症例において求め、得られたクリアランスをMIRD法に外挿し全身線量を産出したところ、成人において200mCi投与で100cGy前後の値が得られた。本院における^<131>I一日使用限度量は460mCiであるため、最大耐用投与量に近い量での治療が実行可能であることが確認された。一方、小児例では15-18mCi/kg相当の投与量が求められることがあるが、この場合の線量は200cGyを超える線量となるため、骨髄移植による骨髄サポートを前提とした治療となることが確認された。
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