2007 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場多核種MRIによる動的代謝物解析法の臨床開発と脳機能総合診断指標の検討
Project/Area Number |
19390321
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原田 雅史 The University of Tokushima, 医学部, 教授 (20228654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
大森 哲朗 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00221135)
久保 均 徳島大学, 医学部, 准教授 (00325292)
金松 知幸 創価大学, 工学部, 教授 (30104201)
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Keywords | MRS / 13C / NAA / glucose / glutamate |
Research Abstract |
従来から用いられてきた代謝・機能評価、例えば拡散テンソル画像(DTI)やproton MRS(spectroscopy)、BOLD法等を用いて組織や局所の代謝や機能に関連する情報を得ることができる。 従来のこれらの情報と新たな多核種による動的代謝解析の情報とを総合することにより、新たな脳機能や代謝に関連する知見をえることができ、臨床診断における高磁場MRIの有用性が高まると期待される。従って本研究の目的は、高磁場MRI装置を用いてa)13C等の標識化合物を探査物質(プローブ)としたトレーサー法による動的代謝解析手法を確立し、b)この動的な代謝解析による情報と脳機能との関連について検討し、c)従来の脳機能や代謝評価とも総合し、新たな系統的脳代謝・機能診断の臨床実用化を目指すことである。(対象と方法)13Cの測定方法としては表面コイルを利用し、局在方法としてはスライス選択法とISIS法を作成した。対象は正常ボランティア5名と白質変性症の小児3名である。使用した装置は臨床用3テスラMRI装置(Signa 3T Excite)であり、頭部用標準コイルを用いたMRSも施行した。また正常ボランティア1名に対して13C-glucose0.7g/kg体重を投与し、脳内のglucose代謝について評価を行った。(結果及び考察)自然存在による13C-MRSでは、領域選択をしないと脂肪のみの信号が強く認められ、その他の代謝物は評価できなかった。スライス選択により脂肪の信号が押さえられ、NAAやGlutamine等の代謝物の信号が観察でき、白質変性症においてはNAAの低下とCrの相対的な上昇が示唆され、proton MRSと矛盾しない所見であった。ISIS法による局在では、スライス選択にくらべてS/N比が低いが、領域選択はより正確であり、脂肪の信号の混入はほとんど認めなかった。13C-glucoseの投与により投与30分後より信号の上昇が認められるが、Glutamine酸の信号は脂質と重なり増加は不明瞭であった。また、デカップリングによる信号上昇は2倍程度認められた。結語)臨床用3T MRI装置にて脳内13C-glucoseの観察が可能であり、その他経時的変化を評価することにより代謝異常や機能的変化が評価できると期待された。
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Research Products
(4 results)