2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線感受性の腫瘍内不均一性に関する分子生物学的解析
Project/Area Number |
19390324
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 正俊 Nara Medical University, 医学部, 教授 (50251111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅川 勇雄 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20382319)
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Keywords | 放射線感受性 / 腫瘍内不均一性 / 分子生物学 / アポトーシス / p53 / 遺伝子発現 / 分化 |
Research Abstract |
放射線感受性が腫瘍間で不均一な原因として遺伝子レベルでの相違の他に、細胞周期、酸素分圧、分化程度等の影響が指摘されているが,本研究では個々の腫瘍組織内の細胞の不均一性と放射線感受性の関係について遺伝子レベルで解明することを目的として実験をおこなった。 ヒト由来腫瘍3種(上衣芽腫:p53野生型、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET):p53野生型、膠芽腫:p53変異型)をヌードマウス皮下に移植し、200kVのX線または炭素イオン線2Gyを照射して、4、6、24時間後に摘出して検索した。次に1、4、8、16Gy照射後の4、6時間後についても同様の検討をおこなった。組織の一部はフォルマリン固定、パラフィン包埋切片で、H.E.染色、GFAP染色、TUNEL染色をおこなってGFAP発現、アポトーシス誘発等を評価した。他の組織からはRNAを摘出してcDNAアレイ解析、階層型クラスタリング、Gene Ontology解析、Pathway解析等を実施した。さらに組織の一部で凍結切片を作成し、レーザーマイクロダイセクションによって、アボトーシスが高率な部位と低率な部位を区別して採取し、RNAを抽出してcDNAアレイ解析、他同様の解析を実施した。 p53野生型の上衣芽腫、PNETでは、2Gy照射後4、6時間に高率なアポトーシス誘発と顕著な遺伝子発現を認め、そのPathway解析ではアポトーシス、P53伝達経路、細胞周期等に関与する遺伝子の有意な発現が認められたが、X線と炭素イオン線は同様の発現傾向を示した。一方、P53変異型の膠芽腫においては、2Gy照射後のアポトーシスの誘発、遺伝子発現の変化はわずかであり、それ以上の線量についての解析を継続中である。凍結切片による上衣芽腫の腫瘍内の比較検討では、腫瘍の分化とアボトーシスの頻度によって遣伝子発現が異たることを示唆したが、詳細については解析中である。
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Research Products
(3 results)