2007 Fiscal Year Annual Research Report
放射線感受性を左右する分子の探索と画像化に関する基礎的検討
Project/Area Number |
19390325
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三橋 紀夫 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (20008585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10261851)
前林 勝也 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60332350)
那須 佐知子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50292602)
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Keywords | 放射線感受性 / シグナル伝達 / 低酸素細胞 / 分子イメージング |
Research Abstract |
放射線感受性を左右する分子の探索を行い、画像化の候補分子としての可能性を検討した。 1.E-cadherinとDysadherinの発現と放射線治療成績の相関 Dysadherin(DAD)はE-cadherin(CAD)の制御因子として働いており、頭頸部扁平上皮癌ではその発現が転移や治療効果に影響を及ぼしていることから、頭頸部癌でのCAD、DADの発現様式と放射線治療成績との相関を明らかとし、CAD、DADが予後を予測する分子イメージングの候補分子になり得るか検討した。(1)DADの発現とCADの発現には相関は認められなかった。(2)放射線治療の局所効果はDADの発現が強い症例で不良であった。(p=0.02)(3)後発リンパ節転移、遠隔転移はDADの発現が強く、CADの発現が弱い症例で頻度が高い傾向が認められた。(p=0.03) 2.温熱ならびに放射線治療効果の指標としてのH2AXりん酸化の画像化 H2AXはDNA障害によってりん酸化されDNAの二重鎖切断部にフォーカスを形成することからDNA障害部位のセンサーとして研究が進んでいる。そこで、H2AXフォーカス形成を画像化することで、温熱や放射線感受性が予知できるかどうかA549細胞を用いてin vitroの系で検索し以下の結果を得た。(1)放射線感受性とH2AXのフォーカスの数ならびにフォーカスの消失時間には明らかな相関が認められた。(2)温熱でもH2AXのフォーカスは出現するが、放射線に比してフォーカスの数は少なく、出現までの時間が遷延していた。(3)温熱は放射線照射によって誘導されるH2AXのフォーカス形成を抑制し、DNA損傷からの回復過程を修飾しているものと考えられた。 以上から、DADならびにH2AXは放射線感受性を表わす画像化の候補分子となりうる可能性が明らかとなった。
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