2008 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫次世代治療法-リンパ管新生遺伝子治療と外科治療のハイブリッド治療法
Project/Area Number |
19390328
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
笹嶋 唯博 Asahikawa Medical College, 医学部, 副学長 (20109515)
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Keywords | リンパ浮腫 / リンパ管新生 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
リンパ浮腫は有効な治療法が開発されないまま現在に至っている。本研究の目的はHGFによるリンパ管新生遺伝子と外科治療を融合することにより新しいリンパ浮腫治療法を動物実験において開発・確立することにある。 1、HGFによる遺伝子治療の安全性 マウス肺癌LL/2を用い検討した。LL/2ではHGF受容体c-Metが軽度発現していた。この細胞にHGFプラスミドDNAを遺伝子導入したところHGFの分泌を認めたが、LL/2そのものの増殖能には有意な変化がなかった。さらにLL/2を移植した担癌マウスモデルを作製し腫瘍に遺伝子導入を行った。移植21日後で腫瘍サイズ、肺転移で有意な変化はなかった。しかしHGF導入群ではヒトHGFの発現に続きendogenousなマウスHGFの上昇を認め、免疫染色にて血管内皮細胞の増加も認めた。HGFによる血管新生が腫瘍により惹起されるものとは機能的に異なっている可能性が示唆された。 2、新たなリンパ浮腫モデルの確立と治療法の開発 ラットの前肢に対し乳癌に準じた手術を施すことで乳癌術後リンパ浮腫モデルの確立に成功した。このモデルを利用しHGF遺伝子治療と、外科的にリンパ節を移植し機能的なリンパ管新生を目指した新たな遺伝子治療を比較した動物実験を施行中である。まだ検討中ではあるが、乳癌モデルにおいてもHGF遺伝子治療は有効であり、外科手術との併用群ではさらに効果が増加している傾向を認めている。今後近赤外線リンパ管撮影装置のよってリンパ流を評価し、免疫染色、ELISA、PCRなどの方法にてリンパ管新生の詳細を検討する予定でいる。さらに本研究後ビーグル犬を用いスケールアップした検討を予定している。
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Research Products
(1 results)