2009 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫次世代治療法-リンパ管新生遺伝子治療と外科治療のハイブリッド治療法
Project/Area Number |
19390328
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
笹嶋 唯博 Asahikawa Medical College, 医学部, 副学長 (20109515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 幸裕 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (80540583)
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Keywords | リンパ浮腫 / リンパ管新生 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
【目的】リンパ浮腫は有効な治療法が開発されないまま現在に至っている。本研究の目的はHGFによるリンパ管新生遺伝子治療と外科治療を融合することにより新しいリンパ浮腫治療法を動物実験において開発・確立することにある。 【本年度の成果】新たなリンパ浮腫モデルの確立と治療法の開発 ヒト乳癌術後を想定したラット右前肢腋窩郭清によるリンパ浮腫モデル作製に成功した。これにヒトHGFプラスミドDNAを反復投与したところ、コントロール群に比べ有意に浮腫は改善した(P<0.05)。またリンパ流をICGによる近赤外線撮影装置で観察したところ、コントロール群ではリンパ流の遮断と残存リンパ管の拡張が遷延していたが、HGF遺伝子治療群ではリンパ流の回復とうっ滞の改善を認めた。さらにリンパ管内皮特異マーカー(Prox1)で組織免疫染色を施行したところ、HGF遺伝子治療群で染色陽性細胞の増加を認め、リンパ管新生の誘導が確認された。またリンパ管の機能的構造の再構築をめざしてソケイ部リンパ節を採取し腋窩郭清部のリンパ管新生誘導ルートに移植した後HGF遺伝子を導入し、遺伝子治療を施行した。これらでは移植リンパ節を経由したリンパ管ネットワークが形成されていた。これらの結果を踏まえ中、大動物での効果を確認するためビーグル犬モデルを作製した。このモデルでも同様の遺伝子治療効果を認めヒトでも効果があることが期待された。今後ビーグル犬モデルで対照群を設定した検討が必要である。 【まとめ】ヒト乳癌術後を想定したリンパ浮腫モデルでHGF遺伝子治療の有効性を証明した。またリンパ節移植付加遺伝子治療はリンパ管内皮細胞の供給源を確保し、リンパ節による免疫学的機能も再構築可能な方法と考えられ、新たなリンパ管誘導法として有用であると考えられた。今後ヒトへの応用を目指し、前臨床研究を進める予定である。
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