2008 Fiscal Year Annual Research Report
多機能センシングナノビーズを用いた乳がん手術の開発
Project/Area Number |
19390329
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 孝宣 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00292318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 元博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10333808)
大内 憲明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90203710)
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Keywords | センシングナノビーズ / 乳がん / 蛍光ナノビーズ / シリカコーティング |
Research Abstract |
本研究では多種の機能を持つナノ粒子を用いることで超精細な乳がん手術を可能とする新しい技術の開発を目指す。がん病巣に対しては特異的抗体を作成し、センチネルリンパ節検出に関しては最適な粒径を持ち、かつ比較的長時間標的に留まる蛍光、X線、MRIに利用可能な多機能造影剤を開発する。そして、単一造影剤による術前のX線CT、MRIによるがん病巣検査、術中の精密な病変の蛍光検出技術ならびに蛍光センチネルリンパ節生検法も合わせて確立する。 本年度は腫瘍病巣の精密診断に必要な、がん細胞1個レベルでの検出を可能にするべく研究を進めた。また生体内で蛍光ナノ粒子を用いるためには蛍光粒子の安定化が必要であり、安定な材料でコーティングする技術は必須である。そのため蛍光ナノ粒子のシリカコーティングの最適条件の決定とこれを用いてラットでのセンチネルリンパ節検出を試みた。この中でシリカコーティングに最適なtetraethylorthosilicate(シリカ源)濃度を決定することに成功した。また同ナノ粒子を用いた動物実験から、シリカコーティングによるセンチネルリンパ節造影実験において、造影持続時間を従来の蛍光ナノ粒子に比べて1時間以上延長することに成功した。また大型動物をモデルとして鏡視下に蛍光ナノ粒子を用いたセンチネルリンパ節の検出に成功した。 シリカコーティングをはじめとするコーティング技術は安全性の確保やナノ粒子の医療応用のキーテクノロジーの一つになると考えられる。また既にHER2タンパク発現腫瘍移植マウスではその中で量子ドット抗体結合物を1粒子レベルで検出することが可能となり、更に抗体結合細胞の転移における動態を生体内で観察することに成功した。本研究は多機能センシングビーズの開発、細胞一個レベルの検出技術の確立、安全性、有効性の確立に向けて着実に成果をあげている。
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Research Products
(7 results)