2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵島分離後の膵非内分泌組織からの膵幹細胞の同定と膵β細胞への分化誘導法の確立
Project/Area Number |
19390331
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 衆治 Nagoya University, 医学部, 教授 (30218573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 久 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (90023796)
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Keywords | 実験外科学 |
Research Abstract |
本課題では、膵幹細胞の同定・膵β細胞への分化誘導法を検討することを目的とする。近年の膵幹/前駆細胞用いた再生研究は新規糖尿病治療法の開発として注目されているが、その培養法の検討はあまり行われていない。最近、我々は高濃度FBSを用いてマウス膵幹細胞の長期培養に成功した。そこで、我々は、まず、1)ヒト膵より膵幹細胞の分離と、2)この手法をヒト膵組織に適応し、ヒト膵幹/前駆細胞の同定と長期培養へ向けた培養法の検討を行った。同時に、3)蛋白導入法を用いたインスリン分泌細胞への分化誘導の検証結果も併せて報告する。 ヒト膵を用いて膵島分離を行い、連続比重勾配法にて膵島細胞および腺房細胞の豊富な分画を除去した後、膵管細胞の豊富な分画を培養した。その後、我々が確立した高濃度FBSによる培養方法、無血清培養法、およびヒトES培養法をもとに、異なる培養液を調製し検討を行った。その結果、各培養方法にてこの細胞群は異なる形態を示し、無血清培養法では、マウス膵幹細胞によく似た形態を示した。この細胞は、PDX-1、CK-19、GLP-1Rなどを発現しており、膵管細胞様の特徴を示していた。しかしながら、1-3ヶ月以内で細胞増殖が停止した。また、この細胞に、蛋白導入法を用いた遺伝子導入(Exendin-4、PDX-1やNeuroD)を行うことにより、インスリンや膵臓関連遺伝子の発現が確認できた。 今回、我々が同定した細胞は増殖能が限られているが、インスリン分泌細胞を産生し得る新しい細胞ソースとなり得る可能性を秘めている。特に、重症糖尿病患者に対する膵島移植医療においては、慢性的な臓器不足が叫ばれている。この問題を解決する手段として、ヒト膵幹細胞は膵島再生における重要な細胞ソースであり、我々は、引き続き、ヒト膵幹細胞の同定・機能評価と共に、その周辺技術についても検証しなければならない。
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[Journal Article] Characterization of human pancreatic progenitor cells
Author(s)
Noguchi H., Naziruddin B., Jackson A., Shimoda M., Ikemoto T., Fujita Y., Chujo D., Takita M., Kobayashi N., Onaca N., Havashi S., Levy MF., Matsumoto S.
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Journal Title
Cell Transplantation (Accepted)(未定)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Comparison of trypsin inhibitors in preservation solution for islet isolation
Author(s)
Noguchi H., Ueda M., Hayashi S., Kobayashi N., Okitsu T., Iwanaga Y., Nagata H., Liu X., Kamiya H., Levy MF., Matsumoto S.
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Journal Title
Cell Transplantation (In press)(未定)
Peer Reviewed
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