2009 Fiscal Year Annual Research Report
miRNAをターゲットとした消化器癌に対する新たな治療戦略の開発
Project/Area Number |
19390338
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
馬場 秀夫 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 教授 (20240905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒲原 英伸 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90398222)
|
Keywords | 実験外科学 / 消化器癌 / 分子生物学 / microRNA |
Research Abstract |
消化器癌の中で、特に食道癌の新鮮もしくは凍結標本からmicroRNAの精製を試みてきたが、長期の予後解析については限界がある。そこで、長期間保存可能なホルマリン固定標本を用いて、癌部と非癌部の切片からmicroRNAをRecoverAII^<TM> Total Nucleic Acid Isolation Kitにて回収した。報告された癌関連の約80種類のmicroRNAのprimerを作製し、SYBR GreenによるqRT-PCRを行い、食道癌特異的なmicroRNAの同定を行った。数種類のmicroRNAに絞り込み、現在、臨床病理学的データとの統計学的解析を行っている。今後、個々のmicroRNAの癌細胞における機能解析を行い、ターゲット遺伝子の同定を行っていく。また、microRNA-21が食道癌に有意に発現が充進していることを報告した(CCR,2009)が、この結果は、ホルマリン標本を用いても再現された。 今後のTranslational Researchを視野に入れ生検標本を用いたmicroRNAの解析を試みた。最近の食道癌の化学療法(DCF療法:Docetaxel,Cisplatin,5FU)の術前の生検標本を用いて、癌関連として報告されている数十種類のmicroRNAのprimerを用いて、SYBR GreenによるqRT-PCRを行った。DCFに感受性が低い郡において、microRNA-21,-26の発現が低下していることが判明した。この結果はTaq-Man法にても再現された。今後、Lentivirusなどを用いてStable cell lineを作製し、癌における機能解析とDCF療法との関連性(特にtublinの形成に与える影響)についての検証をしていく予定にしている。
|