2007 Fiscal Year Annual Research Report
消化管癒着・線維形成過程の分子機構解析・制御法開発と腸管星細胞探索の試み
Project/Area Number |
19390342
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
藤元 治朗 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (90199373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30252018)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)
王 孔志 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80340967)
宇山 直樹 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (70402873)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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Keywords | 消化管癒着 / 腸管星細胞 / 線維化 / HGF |
Research Abstract |
腹腔内手術後の腸管癒着形成に伴う腸閉塞や疼痛などは未だ大きな術後合併症であるがそのメカニズムは解明されていない。我々は新規開発した腸管癒着モデルマウスを用いて癒着形成に関わる要因を検討した。手術侵襲として、各種マウスに5mmの切開を加え、盲腸にバイポーラ電気メスを用いて1秒焼灼後、閉創した。術後1週間で癒着は形成され、癒着度合いはadhesion scoreを用いて0-5点で評価したまた、術後経時的に開腹して組織学的に検討するとともに、腸管mRNAを抽出して各種mRNA発現をリアルタイムPCRで解析した。結果として、1)術後1週間で野生型マウスの盲腸は著明な癒着が形成されるがCD4+T細胞を除去したマウスでは癒着は極軽度であった。2)CD4+T細胞の中でもNKT細胞を欠損するNKT KOマウスでは癒着は極軽度であったがNKT KOマウスにNKT細胞を移入すると著明な癒着を形成した。また、術後3時間から盲腸の粘膜下層及び漿膜下層にNKT細胞が浸潤し、術後24時間で著明に増加した。3)盲腸組織において術後3時間をピークとしてIFN-γmRNAの発現を認めた。IFNγ-Koマウスでは癒着は極軽度であったがIFN-γKoマウスにIFN-γを投与すると著明な癒着を形成した。4)手術侵襲を加えた野生型マウスの腸管PAI mRNA発現は術後1日目をピークに増減するのに対し、tPA mRNA発現は術後1日目著:明に低下し、術後5日目まで低値を持続した。5)IFN-γKoマウスでは、術後1日目のPAI mRNAの発現増強は認められなかった。6)IFN-γ抗体を投与したマウスに手術侵襲を加えると癒着形成は抑制傾向であった。上記の結果をふまえ、平成20年度より新たな癒着メカニズムの解析および癒着抑制の研究を行なう。
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Research Products
(4 results)