2008 Fiscal Year Annual Research Report
消化管癒着・線維形成過程の分子機構解析・制御法開発と腸管星細胞探索の試み
Project/Area Number |
19390342
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
藤元 治朗 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (90199373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30252018)
平野 公通 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)
王 孔志 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80340967)
宇山 直樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70402873)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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Keywords | 消化管癒着 / 腸管星細胞 / 線維化 / HGF |
Research Abstract |
腹腔内及び骨盤内手術後の腸管癒着形成に伴う腸閉塞、疼痛及び女性患者における不妊などは頻度の高い術後合併症であるがそのメカニズムは未だ解明されていない。また、癒着予防法も未だ確率されたものは存在しない。我々は定量的に癒着形成可能な腹腔内癒着形成マウスモデルを新規に作製の上、腹腔内癒着形成メカニズムを解析し、その制御による癒着予防法を考案した。平成20年度までの研究成果は以下の通りである。(1)腸管漿膜障害により障害局所において神経伝達物質のsubstance P(SP)発現が増強し、SPがNKT細胞に直接作用してIFN-γ発現を増強させる。(2)NKT細胞から産生されたIFN-γはSTAT1を介して、凝固系因子であるPAI-1発現を増強させ癒着形成を促進させる。(3)術前に抗IFN-γ抗体を投与する事でPAI-1発現を抑制し、癒着形成を減弱しえた。(4)IFN-γ抑制作用のあるHepatocyte Growth Factor(HGF)蛋白を投与する事により、IFN-γ発現及びPAI-1発現を抑制し、癒着形成を著明に抑制しえた。その際、治癒過程に影響は認められなかった。(4)HGF投与は術直後が最も癒着抑制効果が高く、術後24時間以降に投与しても癒着抑制効果は認められなかった。以上についてNature Medicine誌に論文掲載した。上記の結果を踏まえ、平成21年度は、人への癒着予防法の展開に向けたtranslational researchの一環として普遍的な癒着形成メカニズムを解明すべく、ラットなどの他動物におけるメカニズムの解析及び肝臓などの他臓器における癒着形成メカニズムの解析を行う。
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Research Products
(4 results)