2008 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌早期診断のためのエピジェネティックバイオマーカの開発
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19390351
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松原 長秀 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70314672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 紀章 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10127566)
清水 憲二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10037286)
永坂 岳司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30452569)
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Keywords | 大腸癌 / スクリーニング / DNAメチル化 / 消化器癌 / 早期診断 / epigenetic alteration |
Research Abstract |
DNAプロモータのメチル化をバイオマーカーとする画期的な診断法の確立ができた。この診断法は、早期診断のみならず、腫瘍の性格診断、治療効果の判定等への応用が可能で、安価で実用的で最も効果的な診断法としての意義を確立することができた。検出方法としてはmethylation specific PCR (MSP)を改良し、internal controlを設けることにより、MSSP (methylation specific single PCR)法を用いる方法で0.01%までの検出感度を上げることができた(PCT特許出願済み)。しかし、擬陽性が出現すると検査自体の特異度が落ちる心配があるため、これを改良したHiSA (high sensitivity assay)法を完成させ、特異壌を上げることができた(国内特許を申請中)。便中のDNAプロモータのマーカー部位も、様々な検討を行った。同じプロモータ状の複数のメチル化部位を同時に検討することにより、より、癌形成過程の生物学的側面を反映させることが可能となり、前癌状態としての腺腫、早期大腸癌、進行大腸癌のどの段階にあるか等の質的診断も加味することが可能性となった。また、大腸にできるポリープ、癌以外の病態においてどのような便中のメチル化の変化が生じるか等の詳細な検討も加わり、よりこの検査法の適正さが検討できた。裏を返せば、今後需要の増えると思われるスクリーニング目的の大腸内視鏡検査を省略可能な人を選別できるということも、医療経済上からは最も重要かもしれない。胃癌に対してもこの検査法により検出可能であることが証明されたことも大きな成果であった。さらに、最も診断困難とされる膵癌等に関してもこの技術により診断できる可能性が高いことが解ったことも、今後きわめて重要である。
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[Journal Article] Mutations in both KRAS and BRAF contribute to the methylator phenotype in colon cancer. 134 : 1950-1960 (2008)2008
Author(s)
Nagasaka T. Koi M, Kloor M, Gebert J, Vilkin A, Nishida N, Shin S-K, Sasamoto H, Tanaka N, Matsubara N, Bol, C R, Goel A
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Journal Title
Gastroenterology 134
Pages: 1950-1960
Peer Reviewed
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