2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変症における肝内微小循環障害の分子機序解明と肝機能改善のための新規治療の開発
Project/Area Number |
19390352
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 喜彦 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (80165662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川中 博文 九州大学, 大学病院, 助教 (10363334)
小西 晃造 九州大学, 医学研究院, 寄付講座教員 (90380641)
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Keywords | 脾門脈外科学 / 類洞内皮細胞 / 肝星細胞 / Rho kinase / Akt / nitric oxide / 門脈圧亢進症 / 肝硬変症 |
Research Abstract |
1.硬変肝のeNOSシグナル改善による肝内微小循環障害の改善 肝硬変症においては、ETやAT-IIの発現が亢進し、さらに類洞内皮細胞からのNO分泌が低下しているため、肝星細胞の収縮が強まり、類洞血管抵抗が増大し、肝内微小循環が障害され、門脈圧亢進症をきたしている。肝硬変症における類洞内皮細胞のNO分泌障害は、AktによるeNOSのリン酸化障害であることがわかっているが、その機序は不明であった。そこで、類洞内皮細胞におけるAkt-eNOSリン酸化の障害にRho kinaseが関与しているのではないかと仮説をたて、検討した。 肝硬変ラットにRho kinase阻害剤であるfasdil(1 or 2mg/dl)を点滴静注すると門脈圧が約20%、肝内血管抵抗が約30%低下することがわかった。また、Rho kinase阻害剤を用いることで、肝内eNOSリン酸化およびeNOSとAktの結合が増加することも判明し、さらにRho kinaeとAktが直接結合することにより、Rho kinaseがAktとeNOSの結合を阻害し、eNOS酵素活性を傷害していることを証明した。 2.肝再生時の血管新生のメカニズムの解明 ラット70%肝切除モデルを使用し、肝再生時の血管新生因子であるVEGFおよびNOの役割を検討し、肝再生に関与する血管新生のシグナル伝達経路としてVEGF-NO相関を明らかにした。 1-NAMEによるNOの抑制により、肝再生は抑制され、肝切除後3日目の類洞面積低下ならびにVEGF発現が抑制され、NOは肝再生時の類洞血流の維持に重要であること、ならびに肝再生早期のVEGF発現にも関与することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Role of nitric oxide in liver regeneration in rats.2008
Author(s)
Daisuke Y, Kawanaka H, Anegawa G, Kinjon Nao, Konishi K, YamaguchiS, Taketomi A, Hashizume M, Hashizume M, Maehara Y.
Organizer
全米肝臓学会(AASLD)
Place of Presentation
Washington, D.C.
Year and Date
2008-05-22