2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変症における肝内微小循環障害の分子機序解明と肝機能改善のための新規治療の開発
Project/Area Number |
19390352
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前原 喜彦 Kyushu University, 医学研究院, 教授 (80165662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 晃造 九州大学, 医学研究院, 寄附講座教員 (90380641)
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Keywords | 脾門脈外科学 / 類洞内皮細胞 / 肝星細胞 / Rho Kinase / AKT / nitric oxide / 門脈圧亢進症 / 肝硬変症 |
Research Abstract |
1.肝硬変におけるeNOSシグナル改善による肝内微小循環障害の改善 肝硬変症においては、強力な血管作動性因子であるEndothelinやAngiotensin-IIの発現が亢進し、さらに類洞内皮細胞からのNO分泌が低下しているため、肝星細胞の収縮が強まり、類洞血管抵抗が増大し、肝内微小循環が障害され、門脈圧亢進症をきたしている。肝硬変症における類洞内皮細胞のNO分泌障害は、AktによるeNOSのリン酸化障害であることがわかっているが、その機序は不明であった。そこで、類洞内皮細胞におけるAkt-eNOSリン酸化の障害にRho kinaseが関与しているのではないかと仮説の元に実験を行い検討した。 肝硬変ラットにRho kinase阻害剤であるfasdil(1 or 2mg/dl)を点滴静注すると門脈圧が約20%、肝内血管抵抗が約30%低下することがわかった。また、Rho kinase阻害剤を用いることで、肝内eNOSリン酸化およびeNOSとAktの結合が増加することも判明し、さらにRho kinaeとAktが直接結合することにより、Rho kinaseがAktとeNOSの結合を阻害し、eNOS酵素活性を傷害していることを証明した。 2.肝再生時の血管新生のメカニズムの解明 ラット70%肝切除モデルを使用し、肝再生時の血管新生因子であるVEGFおよびNOの役割を検討し、肝再生に関与する血管新生のシグナル伝達経路としてVEGF-NO相関を明らかにした。1-NAMEによるNOの抑制により、肝再生は抑制され、肝切除後3日目の類洞面積低下ならびにVEGF発現が抑制された。この結果よりNOは肝再生時の類洞内皮の増殖において重要であり、類洞内皮の増殖と形成、ひいては肝再生に不可欠であることが証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Significance of ERK nitration in portal hypertensive gastropathy and its therapeutic implicat ions.2008
Author(s)
Kinjo N, Kawanaka H, Akahoshi T, Yamaguchi S, Yoshida D, Anegawa G, Konishi K, Tomikawa M, Tanoue K, Tarmawski A, Hashizume M, Maehara Y.
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Journal Title
Am J Physiol Gastrointcst Liver Physiol. 295
Pages: G1016-G1024
Peer Reviewed