2008 Fiscal Year Annual Research Report
転移促進遺伝子CD151のヒト型抗体とRNA干渉によるテトラスパニンと転移の制御
Project/Area Number |
19390369
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
三宅 正幸 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所第1研究部, 研究員 (90250076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大政 貢 財団法人田附興風会, 医学研究所第1研究部, 研究員 (80379049)
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Keywords | 転移促進遺伝子 / CD151 / MRP1 / CD9 / KAI1 / CD82 / テトラスパニン / 癌転移 |
Research Abstract |
我々はCD151をRNA干渉でノックダウンすることで、CD151を中心としたインテグリン・テトラスパニン複合構成体の崩壊、あるいは抑制することに成功した。さらに、CD151のノックアウトを行った後にMRP-1/CD9、KAI1/CD82の遺伝子治療によるカクテル療法を細胞株で行った。このように、複数の遺伝子異常を持つ腫瘍細胞に対しては、単独遺伝子の治療ベクターだけよりも、カクテル療法の方が、個々の腫瘍細胞へ安定したベクターの導入が得られ、発現してきた蛋白も、その複合構成体構成を妨げることで機能を抑制し、高い抗腫瘍効果が期待できると考えられた。このカクテル治療が確立されれば、進行期肺癌の原発巣での封じ込めが可能となり、en blocに原発巣を拡大切除することが可能になる。これらのアデノウィルスを用いたMRP-1/CD9とKAI1/CD82の両者の併合療法も含めたカクテル遺伝子治療を行えば、MRP-1/CD9やKAI1/CD82の発現減弱腫瘍に対して、転移抑制と担癌マウスの生命予後の延長がみられるだけでなく、最近我々が発見したMRP-1/CD9誘導とWntシグナル抑制による相乗作用も予想された。細胞株を用いたin vitroレベルでは、成功したので、これらの細胞株を、ヌードマウスに生着させ、in vivoで数度のカクテル療法を行ったが、失敗に終わった。免疫不全マウスであるスキッドマウスでは、成功したので、この原因は、遺伝子導入におけるウイルスベクターの使用によるウイルス抗原に対する抗体の産生などによるものと考えられた。そのため、通常の免疫能力を持った動物に対して頻回投与を行うことが困難である可能性が強く、その応用範囲に制限がある。そこで我々は、将来のヒトへの治療応用も考慮して、DNAを結合させたモノクローナル抗体によるイムノジーンによる遺伝子導入を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)