2007 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー衝撃波液体ジェットメスを用いた穿通枝温存下神経膠腫摘出術の開発
Project/Area Number |
19390372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
隈部 俊宏 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10250747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 政之 東北大学, 病院, 助教 (60420022)
中川 敦寛 東北大学, 病院, 助教 (10447162)
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 所長 (90091652)
孫 明宇 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (00311556)
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Keywords | ロボット手術 / 低侵襲外科 / 脳神経外科 / 機能温存 |
Research Abstract |
本研究では神経膠腫摘出術において摘出領域を通過する管径が穿通枝レベルの動脈を温存と腫瘍の摘出を両立する新しい手術デバイス(レーザージェットメス)の開発が目的である。本年度は模擬モデル実験、ヒト神経膠腫摘出標本を用いた検討を経て臨床応用の開始に至った。基礎実験としては、レーザーのパルス発振により発生するマイクロジェットの工学的特性評価試験を行い、手術に用いる至適条件を同定した。続いて東北大学病院倫理委員会の承認を経て、ヒト神経膠腫摘出標本を用いて切開実験を行い、従来技術の問題点である水量の多さ、スプラッシュ・気泡の発生をジェット射出部外側に吸引管を装着することにより解決した。再度、東北大学病院倫理委員会の承認を得て、臨床応用に移行した。悪性神経膠腫摘出術において病変中央部脳表のくも膜を顕微鏡操作にて剥離後、血管を含めた脳実質切開・破砕を行い、操作性・血管温存性を病理組織学的検討も含めて評価した。これまでの検討では、低エネルギーでは血管径100〜200μm程度までの細動脈温存下に組織切開・破砕が可能であった。高エネルギーでは、massreductionも可能ではあったが、超音波手術装置に比べた優位性は認められなかった。スプラッシュ・気泡の発生による視野の悪化は認められなかった。吸引管断端による静脈損傷や、吸引管径が大きいために死角が発生する点が問題となったが、これらは吸引管の材質変更と管径縮小により大幅に改善された(結果に関しては現在投稿中である)。次年度は倫理委員会の承認を経て、さらに病変辺縁部の穿通枝領域で応用を目指すとともに、組織破砕の効率化などの技術的問題点の解決を行う予定である。
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Research Products
(3 results)