2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー衝撃波液体ジェットメスを用いた穿通枝温存下神経膠腫摘出術の開発
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19390372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
隈部 俊宏 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10250747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 政之 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60420022)
中川 敦寛 東北大学, 病院, 助教 (10447162)
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Keywords | ロボット手術 / 低侵襲外科 / 脳神経外科 / 機能温存 |
Research Abstract |
本研究では神経膠腫摘出術において摘出領域を通過する管径が穿通枝レベルの動脈を温存と腫瘍の摘出を両立する新しい手術デバイス(レーザージェットメス)の開発が目的である。昨年度は工学実験(至適条件を同定模擬モデル実験で検討)、ヒト神経膠腫摘出標本を用いた検討を行い、東北大学病院倫理委員会の承認を経て、神経膠腫摘出術において臨床応用を開始した。これまでの検討では、低エネルギーでは血管径100〜200μm程度までの細動脈温存下に組織切開.破砕が可能で操作性、安全性も確認できた。昨年度は吸引管断端による静脈損傷や、吸引管径が大きいために死角が発生する点、深部の術野での操作で直管を使用すると視野の妨げとなることが明らかとなったが、今年度材質をフッ素樹脂素材に変更することにより大幅に改善した。また形状もバヨネット型に変更することでジェットの性能の低下をきたすことなく大幅に視野が改善された。さらに今年度は再度東北大学病院倫理委員会の承認を経て、病変周辺の正常組織との境界部、血管・脳神経近傍でのcriticalな領域での使用を開始し、島弁蓋部の穿通枝を巻き込む神経膠腫では当初の目標であった腫瘍のmaximal resectionと血管・神経温存という目標を達成する目処がついた。本研究で得られた知見を脳外科の他分野に応用する試みも行った。とくに経蝶形骨洞到達法はトルコ鞍内病変に留まらずneuronavigationや神経内視鏡支援の発達に伴って大きなで海綿静脈洞を巻き込む複雑なもの、さらには前頭蓋底から斜台、頭蓋頚椎移行部に至るまでの正中病変に対する非侵襲的治療法として注目されている。この拡大経蝶形骨洞到達法では腫瘍栄養血管を予め確保することなく内減圧をすすめるため出血がコントロールできなくなる可能性があり適応の制限となっており、現在適したデバイスの開発を行っている。
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Research Products
(7 results)