2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経再生医療実現のためのミニブタ穿通梗塞モデルを用いた基盤的研究
Project/Area Number |
19390373
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
今井 英明 Gunma University, 医学部, 助教 (70359587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 健 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30396626)
好本 裕平 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50242061)
石崎 泰樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90183003)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所・教授, 教授 (50211371)
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Keywords | 脳梗塞 / 再生医学 / 神経成長因子 / 軸索再生 / ドラックデリバリーシステム |
Research Abstract |
【背景と目的】トランスレーショナルリサーチを目的とし大型動物(ミニブタ)を用い選択的白質梗塞モデル(穿通枝梗塞モデル)を作成し,脳梗塞急性期の病態変化を多角的に解明する。さらにこのモデルをもとに新しい脳梗塞治療法(成長因子による神経再生など)の開発戦略の構築を目指す。【方法】ミニブタ(19-42kg)を使用(n=35)。前脈絡叢動脈(AchA)を遮断し内包に穿通枝梗塞を作成する。24時間(n=7),2日(n=5),1週間(n=7),4週間(n=3),その他(n=13)及びsham(n=5)モデルを作成し,誘発筋電図(MMEP),MRI,行動評価表,免疫組織染色,電子顕微鏡にて経時的変化を評価した。【結果】MRIにて内包に91.4%(32/35)の再現率でラクナ梗塞が確認された。MMEPでは血流遮断後平均6.2±1.1分にて電位の消失を認めた。15分の一時遮断ではMMEP上電位は消失するが組織学的には脳梗塞が発生しないことが確認された。AchA閉塞(AchAO)群では行動障害が出現し24時間で最大障害となるが12日までには機能が回復された。AchAO群の脱髄巣を分析した結果24時間から1週間の間に梗塞巣の拡大が有意差をもって確認された。電子顕微鏡所見では壊死中心部では軸索、髄鞘の壊死が認められた。その周囲では24時間後に認められた著明な細胞間隙、傍軸索間隙の浮腫及び軸索の破壊が1週後には壊死領域となった。1週間後には梗塞巣の拡大と軸索変性が認められた。【考察】AchAを選択的に遮断することにより高い再現率が得られたと考えられる。MMEPの結果から白質では6分の血流遮断により膜電位勾配の消失やエネルギー代謝の障害が起こり電気生理学的機能は停止するが15分までの虚血では可逆的である事が示され,この間はIschemic penumbraであると考えられた。組織標本では急性期から慢性期にかけて梗塞巣の拡大が認められた。【結論】新しい動物実験モデルを開発した。本研究は純粋な白質障害を高い再現性をもって作成可能であり,経時的な微小環境変化を捕らえる事ができる。本モデルは軸索(神経)再生などの今後の脳梗塞治療研究に有用である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Experimental model of lacunar infarction in the gyrencephalic brain of the miniaturepig: neurological assessment and histological, immunohistochemical, and physiological evaluation of dynamic corticospinal tract deformation2008
Author(s)
Y Tanaka, H Imai, K Konno, T Miyagishima, C Kubota, S Puentes, T Aoki, H Hata, K Takata, Y Ybshimoto, N Saito
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Journal Title
Peer Reviewed
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