2009 Fiscal Year Annual Research Report
中心体過剰複製・染色体不安定性の誘導による悪性グリオーマの放射線増感機序の解明
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19390379
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
栗栖 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 一彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (30243554)
濱 聖司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 研究員 (40397980)
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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Keywords | Survivin / 悪性グリオーマ / 染色体不安定性 / 放射線感受性 / 腫瘍幹細胞 / p27 |
Research Abstract |
近年、悪性グリオーマ細胞の放射線感受性にStem like cellが強く関与していることが示唆されていることから、本年度は悪性グリオーマ細胞株からStem like cellを樹立し、放射線感受性への影響をSurvivin発現を中心に検討した。まず各種悪性グリオーマ培養細胞を無血清培地で培養し、sphereを形成することを確認した。U251MG細胞で形成されたSphereに関して抗CD133抗体(腫瘍幹細胞に比較的特異的とされる抗体)、抗Survivin抗体で蛍光免疫染色を行い、Sphere形成細胞群では、Sphereを形成していない接着細胞群と比較して、CD133陽性細胞の割合が高く、Survivinの染色性も強い傾向が認められた。更に、他の悪性グリオーマ培養細胞についてもStem like cellの樹立が可能かどうかについての検討も行い、U251細胞以外にもSphereを形成させることに成功し、幾代かの継代も成功している。今後、腫瘍幹細胞の放射線感受性や細胞分裂、染色体不安定性への影響について検討する予定である。また、神経幹細胞の培養に有用とされる無重力の技術が、悪性グリオーマ培養細胞に及ぼす影響についても検討を行い、無重力環境下では細胞は増殖が抑制され、化学療法に対する感受性が高まることが示唆された。今後は、この技術を応用し、Stem like cellの研究を発展させることを予定している。更に、悪性グリオーマの手術・放射線・化学療法後の予後を左右する因子に関する研究も同時に行い、P27、PEA-15などの関与も新たに明らかにした。これらの知見は、今後の悪性グリオーマの放射線感受性に関わる機序の解明に向けた研究の素地になると考えられる。
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Research Products
(7 results)