2007 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍に対する硼素中性子捕捉療法の標準治療化と新規開発
Project/Area Number |
19390385
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮武 伸一 Osaka Medical College, 医学部, 准教授 (90209916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 秀樹 岡山大学, 医学部, 教授 (30157234)
小野 公二 京都大学, 医学部, 教授 (90122407)
切畑 光統 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60128767)
笠岡 敏 広島国際大学, 薬学部, 助教 (90338690)
黒岩 敏彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30178115)
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Keywords | BNCT / GBM / malignant glioma / malignant meninigioma / Transferin-PEG-Liposome / Protocol |
Research Abstract |
昨年度の科学研究費補助金を使用して、以下の研究を行なっている。 1.新規診断神経膠芽腫非開頭BNCTの成績 新規診断膠芽腫にたいしてBNCTを施行し、1年以上経過を観察できた症例(1年以内の死亡例も含む)は21例であり、その生存期間中央値は15.6ケ月であり、20-30Gyの分割外照射を追加した11症例の生存期間中央値は18.0ケ月であった。これらの症例には再発が確認されるまで、化学療法を行なっていない。ことにRPAで予後不良群に分類される症例に対して、延命効果が顕著であった。 2.再発悪性グリオーマの治療成績。 22例の再発悪性グリオーマの症例の生存期間を調査した。その結果は全症例の生存期間中央値はBNCT施行後より11.0ケ月であった。再発悪性グリオーマの標準治療が確立していない現時点でこの成績が満足しうるものか否か検討することは難しいが、J Clin Oncol 25:2601, 2007.の報告(最近の米国における10個のPhase 1,2 study)と比較するとどのRPAクラスでも生命予後はBNCT群が勝っていた。 3.悪性髄膜腫の治療成績 13例の再発悪性髄膜腫に対して、BNCTを施行した。どの症例も画像上、腫瘍体積は顕著に縮小し、その有効性が確認できた。しかしながら、9例が死亡し、その死因を分析すると、局所再発1例、髄腔内播種3例、全身への転移3例、放射線壊死1例、多重癌併発1例であり、局所制御はおおむね良好と考えられた。 4.Tf-PEG-liposomeの成績 BSH包埋Tf-PEG-liposomeによる治療実験を人脳腫瘍脳内移植ヌードマウスを用いて、その有用性を証明した。 5.BSHにアミノ酸を付加することにより、細胞内取り込みの増強を検討中である。 6新規診断神経膠芽腫に対する化学療法併用多施設共同研究用プロトコールを京都大学探索医療センターとの共同作業で作成中である。
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