2008 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍に対する硼素中性子捕捉療法の標準治療化と新規開発
Project/Area Number |
19390385
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮武 伸一 Osaka Medical College, 医学部, 准教授 (90209916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 秀樹 岡山大学, 医学部, 教授 (30157234)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
切畑 光統 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60128767)
笠岡 敏 広島国際大学, 薬学部, 助教 (90338690)
黒岩 敏彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30178115)
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Keywords | BNCT / GBM / lipospme / 原子炉 / 加速器 / スーパー特区 |
Research Abstract |
悪性脳腫瘍ことに悪性グリオーマ、なかんずく神経膠芽腫は集学的治療を行っても、その根治は期待しがたい。我々は悪性グリオーマの治療法として硼素中性子捕捉療法(BNCT)の研究を進めて来た。すでに2002年より2007年12月末までに65例の悪性脳腫瘍の患者に述べ81回のBNCTを適応してきた。新規診断GBM21例の生存期間中央値(MST)は、TMZをはじめとする化学療法抜きで15.6カ月であり、われわれの施設での過去15年間におけるX線分割照射およびACNUを中心とした化学療法を併用した標準治療によるMST(10.3カ月)を凌駕する成績を残している(ハザード比0.399,p<0.0038)。これら症例のうち、後期11例にはX線の分割外照射(XRT)を20-30Gy追加することによりMSTは23.5か月にまで延長した。また、再発悪性グリオーマ22例を対象とした治療効果はMSTが11か月を超え、予後別解析(RPA)を加えると、本来悪い予後の症例ほど延命効果を示した。以上が臨床結果である。 一方で、硼素化合物のキャリアーとしてはtransferin-liposomeを開発し、これによる治療効果の改善を動物実験モデルを用いて報告した。 2009年度は上記結果を基に、多施設共同第二相臨床試験を計画している。加えて、新規中性子源として小型サイクロトロンの開発に成功し、新規硼素化合物と合わせた治験を計画中である。また2008年度には、当該プロジェクトが先端医療開発特区(スーパー特区)にも採択された。
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Research Products
(21 results)