2008 Fiscal Year Annual Research Report
滑膜肉腫癌遺伝子SYT-SSXの病態解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
19390386
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 伸哉 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 教授 (70261287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 広史 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任准教授 (50322805)
笹井 研 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (80435958)
三浪 明男 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20133738)
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Keywords | 滑膜肉腫 / SYT-SSX / knockout mouse / Crk / Gab1 |
Research Abstract |
本年度の研究は、計画に従い以下の解析を行った。 (1) SYT-SSXの腫瘍細胞浸潤のメカニズムの解明 : 癌細胞の浸潤能にはシグナル伝達アダプター分子CRKが必須であることが判明しており、CRKによるGab1のY307のチロシンリン酸化制御が重要であることが明らかとなっていたが、本年度の研究ではY307F変異体により細胞接着斑の形成異常が誘導されることが明らかとなった。 (2) SYTノックアウトマウスの解析 : SYTの生理的役割を解明するためSYTノックアウトマウスを作成した。その結果、SYTノックアウトマウスは胎性E11.5日で致死であることが判明し電子顕微鏡検索により、myofibrileの減少が認められた。Gene chip解析にて、p300の発現が低下することが示唆されたため、p300を個体レベルでSYTノックアウトマウスに戻すことで、表現型が回復するかを検討したが、表現型の回復はみられなかった。 (3) SYT-SSXをCMVプロモータでドライブさせたトランスジェニックマウスの作成が完了したが、1年間の観察で腫瘍形成はみられなかった。したがって現在はp53(+/-)マウスと交配してF1マウスで腫瘍形成が誘導されるか否かを検討しており、現在数個の腫瘍を得ている。
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Research Products
(11 results)