2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体適合性ポリマーによる高潤滑型関節機能改善剤の基礎的検討
Project/Area Number |
19390388
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茂呂 徹 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任准教授 (20302698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高取 吉雄 東京大学, 医学部・附属病院, 特任教授 (40179461)
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90193341)
川口 浩 東京大学, 医学部・附属病院, 准教授 (40282660)
金野 智浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80371706)
苅田 達郎 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80359611)
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Keywords | 医療・福祉 / 生体材料 / ナノバイオ / バイオテクノロジー / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒアルロン酸・MPCポリマーを用いた関節機能改善剤を実用化するための基礎検討を完成させることである。今年度は、以下の検討を行った。 1.ヒアルロン酸-MPC共重合体の作製と解析 軟骨表面の保護、関節潤滑機構の改善、ヒアルロン酸の安定化・効果増強を効率的に行う共重合体構造を検索した。また、実用化された際の体外への排泄を確実にするため、低分子量化の検討、ピアルロン酸のポリオールとしての使用についても検討した。 2.摩擦試験における摩擦係数と分子量の変化の計測 上記1.で検討した共重合体の他、ピアルロン酸溶液、MPCポリマー溶液、生理食塩水等を摩擦試験機に使用して静摩擦係数、動摩擦係数を計測し、試験回数による摩擦係数の変化について検討した。さらに、各水溶液濃度、混合比率等についても検討を加えた。また、経時的に溶液中の関節機能改善剤を回収し、分子量を計測し、関節保護・摩擦抑制効果の維持・増強機構についても検討した。 3.マウスOAモデルを用いた関節機能改善剤の効果の検討 上記1.2.の検討をもとに、昨年度確立した変形性関節症(OA)のモデルを用いて効果の検討を行った。具体的には顕微鏡視下にマウスの内側側副靭帯の切離と、内側半月板切除を行い、画像評価、組織学的検討等により、関節機能改善剤としての有効性の確認を行った。 以上の結果は、生体適合性ポリマーによる高潤滑型関節機能改善剤実用化へ向けた基礎検討を推進するための確信を得るに十分な結果であった。平成21年度は、上記の検討を継続するとともに、効果的な分子設計・混合比率等についても検討を加える予定である。
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Research Products
(56 results)