2008 Fiscal Year Annual Research Report
アクリジン色素とストロボ光を用いた骨・軟部肉腫の同時・瞬間的診断治療戦略の開発
Project/Area Number |
19390390
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
楠崎 克之 Mie University, 医学部附属病院, 診療等従事者 (30177993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 淳正 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40176681)
松峯 昭彦 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (00335118)
熊本 忠史 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50362348)
若林 弘樹 三重大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50362687)
中村 知樹 三重大学, 医学部付属病院, 医員 (50467362)
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Keywords | ストロボ光 / アクリジンオレンジ / 光線力学的治療法 / 骨軟部腫瘍 |
Research Abstract |
平成19年度はアクリジンオレンジ(以下AO)をマウスに静脈内投与し、高解像デジタルカメラを用いてマウス骨肉腫の光線力学的診断(PDD)が可能であることを証明した。また強力なキセノンストロボ光源を用いたフラッシュ光線照射がマウス骨肉腫細胞に対し従来の持続光照射による光線力学的治療法(PDT)よりも強い殺腫瘍効果があることも明らかにした。さらにはAOの1.0mg/kgの静脈内投与はきわめて安全でPDDにもPDTにも有用であることが判明した。今年度はさらに研究をステップアップし、in vivoにおけるストロボ光照射の効果を検討した。その結果、in vivoでもストロボ光を用いたPDTは持続光よりも強い腫瘍増殖抑制効果があることが判明した。またその作用は遺伝子および免疫組織学的検索によりP21を介したアポトーシスによって引き起こされることが証明された。この結果から本手法は人悪性骨軟部腫瘍症例に対しても有用であると期待される。しかし、人体への静脈内投与にはさらなる臨床試験が必要であり現在製薬会社などとの提携について検討中である。局所投与によるストロボ光の照射は可能であり現在倫理委員会への申請を行なっている。肉腫以外の癌腫についても本治療法を応用するためにまずin vitroの系での実験を行い肺がん、乳がん、前立腺がんなどに対する強い殺細胞効果が確認できている。今後はさらに対象癌腫を拡大する予定である。以上の研究成果については下記の論文で公表した。
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Research Products
(2 results)