2008 Fiscal Year Annual Research Report
術中回収血中の前駆・幹細胞による自己の細胞を利用した四肢の血管・骨再生
Project/Area Number |
19390396
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安永 裕司 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 寄附講座教授 (40253075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 光夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70177244)
浅原 孝之 東海大学, 医学部, 教授 (20246200)
山崎 琢磨 広島大学, 病院, 助教 (50444683)
石川 正和 広島大学, 病院, 医科診療医 (60372158)
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Keywords | 血管再生 / 骨再生 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に従い、以下の研究を行い、得られた研究成果を学会発表した。 本研究の参加に同意が得られた人工関節置換術施行患者から骨髄液(BM)及び術中回収血(SB)を採取し、ヒストパックを使用し比重遠心分離法により単核球の分離を行った。10%FBS含有のDMEM培地に細胞を懸濁し1×10^6個の細胞浮遊液を作成、多連通孔性ハイドロキシアパタイトをScaffoldとして、37℃で2時間インキュベーションを行いハイブリダイズさせ、7週齢雌ヌードラットの背部皮下に移植した。対照群として、細胞を含まない群(control)を作製した(各群n=6)。組織学的評価として、4、8週でHE染色標本を作製し、8週のHE標本より骨形成率を測定した。また免疫組織化学的評価として、抗オステオカルシン抗体による骨芽細胞の免疫染色で骨新生能を、抗IsolectinB4抗体によるラット血管内皮細胞の免疫染色から血管密度を計測し血管新生能を評価した。また移植後4、8週で蛋白を抽出し、オステオカルシンの含有量およびアルカリフォスファターゼ活挫についてELISAを用い評価した。 移植後4週のHE染色の結果では、control群に比べBM群およびSB群では線維組織の増生が著明で、細胞移植による組織形成の促進の可能性が示唆された。移値後8週における組織学的所見では、BMおよびSB群で骨形成を認め、control群では線維組織を認めるのみであった。オステオカルシンの免疫染色ではオステオカルシン陽性細胞を多数認め、骨形成量の統計学的評価では、BM群およびSB群で有意に骨形成を認めた。オステオカルシン含有量は、BM群およびSB群で4週、8週とも有意に高値を示したが、アルカリフォスファターゼ活性は、4週、8週とも各群間で有意差を認めなかった。4週におけるIsolectin B4染色では、細胞移植群で血管密度の有意な増加を認めた。 術中回収血中における単核球分画のin vivoでの骨形成能が示され、今後臨床の場において有効な医療資源として使用できる可能性を示すことができた。 以上の結果は、55^<th> Orthopaedic Research Societyおよび第8回日本再生医療学会にて発表を行った。
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Research Products
(2 results)